診療各科・各部のご案内
各科専門外来の設置や集中治療室をはじめ、
高度管理治療室を整備し技術向上に努めます。
高度管理治療室を整備し技術向上に努めます。
各科のご案内
呼吸器・血管外科
| 疾患分類 | 具体的傷病名 |
|---|---|
| 呼吸器疾患 | 肺がん、肺腫瘍、肺感染症、自然気胸など |
| 縦隔・胸壁・胸膜疾患 | 縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、胸膜腫瘍、肋骨腫瘍、漏斗胸、鳩胸 |
| 甲状腺疾患 | 甲状腺がん、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症など |
| 血管(動脈疾患) | 腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、透析内シャント、血管内治療 |
| 血管(静脈疾患) | 下肢静脈瘤、深部静脈血栓症など |
| その他 | 手掌多汗症など |

- 草島 義徳(くさじま よしのり)
- 副院長(研修・診療担当)
- 医療技術局長
- 呼吸器・血管外科部長
- 群馬大学医学部 昭和50年卒
専門領域
- 胸部外科(呼吸器外科)
- 血管外科
- 甲状腺外科
資格
- 日本呼吸器外科学会専門医・指導医・評議員
- 日本胸部外科学会指導医
- 日本外科学会指導医
- 日本呼吸器学会指導医
- 日本呼吸器内視鏡学会指導医
- 医学博士
- 富山大学医学部臨床教授
- 臨床研修指導医
学会
- 日本呼吸器外科学会
- 日本胸部外科学会
- 日本外科学会
- 日本呼吸器学会
- 日本呼吸器内視鏡学会
- 日本血管外科学会
- 日本静脈学会
モットー・患者さんへの一言
- 親切で、やさしく。ベストの治療をめざします。

- 瀬川 正孝(せがわ まさたか)
- 甲状腺外科部長
- 呼吸器・血管外科医長
- 群馬大学医学部 昭和61年卒
専門領域
- 呼吸器外科
- 血管外科
- 甲状腺外科
資格
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本呼吸器外科学会専門医・評議員
- 日本胸部外科学会認定医
- 日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
- 肺がんCT検診認定医
学会
- 日本外科学会
- 日本呼吸器外科学会
- 日本胸部外科学会
- 日本呼吸器内視鏡学会
- 日本呼吸器学会
- 日本肺癌学会
- 日本血管外科学会
- 日本静脈学会
- 日本臨床外科学会
モットー・患者さんへの一言
- 明るく元気で、声が大きいのがとりえです。
- 関 功二(せき こうじ)
- 呼吸器・血管外科医長
- 富山医科薬科大学医学部 平成13年卒
専門領域
- 呼吸器外科
- 血管外科
資格
- 日本外科学会専門医
学会
- 日本外科学会
- 日本胸部外科学会
- 日本心臓血管外科学会
- 日本血管学会
- 日本脈管学会
- 日本集中医療学会
モットー・患者さんへの一言
- 常に最善の医療を提供できるよう頑張ります。
富山市民病院呼吸器・血管外科は当院の基本理念である「質の高い医療の提供」「開かれた信頼される病院を目指す」の精神で、日々診療にあたっています。診療および手術は学会が認定した指導医、専門医が行い、治療方針は患者さんの術後QOLを重視し、内科、放射線科、病理診断科などとの綿密な連携をとり決定しています。またインフォームドコンセントを十分とり、個々の患者さんに最も適した治療法を選択するように心がけています。術後の長期的経過観察の必要性を考慮し、開業医の方々との共同主治医制、すなわち病診連携にも力を入れています。

当科は日本胸部外科学会指定施設、日本呼吸器外科学会認定施設、日本呼吸器内視鏡学会認定施設です。最近5年間の平均延入院患者数は年間約5300人、一日平均約20人、手術件数は年間約200件です。当科で取り扱う病気は以下のごとくです。
呼吸器疾患
肺がん、肺腫瘍、肺感染症、自然気胸など
肺がん、肺腫瘍、肺感染症、自然気胸など
縦隔・胸壁・胸膜疾患
縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、胸膜腫瘍、肋骨腫瘍、漏斗胸、鳩胸
縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、胸膜腫瘍、肋骨腫瘍、漏斗胸、鳩胸
甲状腺疾患
甲状腺がん、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症など
甲状腺がん、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症など
血管(動脈疾患)
腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、透析内シャント、血管内治療
腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、透析内シャント、血管内治療
血管(静脈疾患)
下肢静脈瘤、深部静脈血栓症など
下肢静脈瘤、深部静脈血栓症など
その他
手掌多汗症など
手掌多汗症など
以上の病気の外科的治療を行っていますが、カメラと小切開を併用した侵襲度の少ない安全な手術、気管支形成術を取り入れた肺機能の温存できる方法、血管病にはバルーン拡張術やステント挿入術などの最先端技術を併用した手術などを行っています。
一方、精神的なこころづかいも大切にしており、患者さんに対する“やさしい気持ち”を忘れず、おもいやりのある診療を心がけています。
肺がん
現在、日本人の最も高い死亡原因は悪性腫瘍によるものです。その中で最も多いのが肺がんで、毎年5万4千人もの人々が肺がんで亡くなっています。肺がんは癌の中でも大変悪性度が高く、発見された時にはすでに血のなかに混ざって脳、骨、肝臓などに転移していることが多いのです。これでは手術になりません。
しかし数年まえからヘリカルCTが普及してきて、5mmから7mm前後の超早期肺がんが容易に発見されるようになって来ました。このような例では手術による肺切除量も少なく、入院期間も短くて、社会復帰も極めてスムーズに行きます。当院では10年前の1993年よりヘリカルCT診断と縮小手術に積極的に取り組んできました。
しかし数年まえからヘリカルCTが普及してきて、5mmから7mm前後の超早期肺がんが容易に発見されるようになって来ました。このような例では手術による肺切除量も少なく、入院期間も短くて、社会復帰も極めてスムーズに行きます。当院では10年前の1993年よりヘリカルCT診断と縮小手術に積極的に取り組んできました。
一般的に肺がんは病理組織学的に4種類(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌)に別れ、それぞれ特徴があり、治療法も若干違います。また治療成績は5年生存率で表しますが、進行度(癌の大きさ、リンパ節転移の有無などによって決定)によって大きな差があります。当科の進行度別5年生存率はⅠA期:80.4.%、ⅠB期:72.5%、ⅡA期:54.8%、ⅡB期:52.3%、ⅢA期:32.4%、ⅢB期:37.2%、Ⅳ 期:0%です。発見動機別10年生存率は、CT発見例:92.8%、通常の肺癌検診発見例:48.2%、有症状発見例:28.6%、他疾患加療中発見例:30.8%です。より早期に発見することがいかに重要かがお分かりいただけるかと思います。
進行度別の肺がん外科治療成績
発見度動機別の肺がん手術成績
縦隔腫瘍
縦隔とは胸部の中央に位置し、前方は胸骨・肋骨、後方は胸椎、側方は胸膜で区画された場所です。ここは人が生きる上で極めて重要な臓器である気管・気管支、大血管、心臓、食道などがあり、それらの間には神経、リンパ節、線維性結合組織、脂肪織などがあります。ここにはさまざまな腫瘍が発生し、悪性腫瘍はもとより、良性腫瘍であっても切除が必要となる場合があります。頻度的には、胸腺腫、神経性腫瘍、先天性のう胞、胚細胞腫が多くみられます。症状は胸痛、胸部圧迫感、呼吸困難などですが、これらは腫瘍がかなり大きくならないと出現しません。また一般検診の胸部レントゲン写真でも進行して大きくならないと見えません。胸部CTは早期発見の方法としては極めて有用です。胸腺腫の手術、切除標本、切除マップを示します。
縦隔とは胸部の中央に位置し、前方は胸骨・肋骨、後方は胸椎、側方は胸膜で区画された場所です。ここは人が生きる上で極めて重要な臓器である気管・気管支、大血管、心臓、食道などがあり、それらの間には神経、リンパ節、線維性結合組織、脂肪織などがあります。ここにはさまざまな腫瘍が発生し、悪性腫瘍はもとより、良性腫瘍であっても切除が必要となる場合があります。頻度的には、胸腺腫、神経性腫瘍、先天性のう胞、胚細胞腫が多くみられます。症状は胸痛、胸部圧迫感、呼吸困難などですが、これらは腫瘍がかなり大きくならないと出現しません。また一般検診の胸部レントゲン写真でも進行して大きくならないと見えません。胸部CTは早期発見の方法としては極めて有用です。胸腺腫の手術、切除標本、切除マップを示します。
自然気胸
肺は、肋骨や筋肉で構成される胸腔と呼ばれるスペースの中にぴたりとはまるように存在します。肺に孔があいて空気が漏れますと、漏れた空気は行き場がなく、胸腔内にたまってしまいます。胸腔は限られたスペースであるため、漏れ出た空気によって、正常肺が圧迫されて小さくなります。このような状態を気胸といい、外的要因がなく自然に発生した気胸を自然気胸といいます。自然気胸は20才前後の若年者や50~60才の中高年者に起こりやすい病気です。肺の表面に薄壁の風船状になった部分(ブラ)ができて、それが破裂して起こります。若年者での原因は不明ですが、中高年者では喫煙が原因でブラが生じると考えられています。
肺は、肋骨や筋肉で構成される胸腔と呼ばれるスペースの中にぴたりとはまるように存在します。肺に孔があいて空気が漏れますと、漏れた空気は行き場がなく、胸腔内にたまってしまいます。胸腔は限られたスペースであるため、漏れ出た空気によって、正常肺が圧迫されて小さくなります。このような状態を気胸といい、外的要因がなく自然に発生した気胸を自然気胸といいます。自然気胸は20才前後の若年者や50~60才の中高年者に起こりやすい病気です。肺の表面に薄壁の風船状になった部分(ブラ)ができて、それが破裂して起こります。若年者での原因は不明ですが、中高年者では喫煙が原因でブラが生じると考えられています。
気胸の程度の軽いものは、孔も自然に塞がっており、安静にしているだけで治る可能性があります。中等度以上に肺が押しつぶされ、症状の強い場合には、胸腔内にドレーンを刺入して、たまった空気を数日間、持続的に抜きます。原則として初発の場合は、手術ではなくこのような保存的治療が選択されます。保存的治療をしても、空気漏れの止まらない人には手術が必要です。また、再発の人や、右側は初回ですが以前に左側にもなったという人(両側気胸)には手術をお勧めします。
手術は一般的に胸腔鏡下手術で行われます。胸腔鏡というのは、約1~2cmの傷から筒状のビデオカメラを胸腔中に入れて、肺の表面を観察する道具のことです。胸腔鏡で胸腔内を観察しながら、別の2カ所の小さな切開創から道具を入れ、パンクしたブラを切除します。手術後は2日程で胸腔ドレーンを抜き、2~3日で退院が可能です。手術後1週間は激しい運動や、労働は控えて頂きますが、一般的な就労や就学は可能です。胸腔鏡下手術の実際を示します。
手術は一般的に胸腔鏡下手術で行われます。胸腔鏡というのは、約1~2cmの傷から筒状のビデオカメラを胸腔中に入れて、肺の表面を観察する道具のことです。胸腔鏡で胸腔内を観察しながら、別の2カ所の小さな切開創から道具を入れ、パンクしたブラを切除します。手術後は2日程で胸腔ドレーンを抜き、2~3日で退院が可能です。手術後1週間は激しい運動や、労働は控えて頂きますが、一般的な就労や就学は可能です。胸腔鏡下手術の実際を示します。
甲状腺疾患
外科治療の対象となる甲状腺疾患には、機能亢進(ホルモン量が異常に多い)が問題になる疾患と、結節(しこり)が問題になる疾患があります。
甲状腺機能亢進症の代表格は、バセドウ氏病という病気です。甲状腺を異常に刺激する抗体というものが体内で産生され、この抗体が甲状腺を休むことなく刺激し、制限なくホルモンを分泌させます。過剰なホルモンが甲状腺腫、眼球突出、動悸、疲れやすさ、手や指のふるえ、多汗といった症状を起こすのです。治療は内服薬治療(抗甲状腺剤、ヨード剤)によりホルモン産生量を減らすか、放射性ヨード治療により甲状腺の細胞数を減らすか、手術により甲状腺を小さくしてしまうかの3つの方法があります。薬の適否、甲状腺の腫れ方、血液中の甲状腺刺激抗体などの他、患者さんの生活や要望、年齢などを考えて治療法を選択します。
外科治療の対象となる甲状腺疾患には、機能亢進(ホルモン量が異常に多い)が問題になる疾患と、結節(しこり)が問題になる疾患があります。
甲状腺機能亢進症の代表格は、バセドウ氏病という病気です。甲状腺を異常に刺激する抗体というものが体内で産生され、この抗体が甲状腺を休むことなく刺激し、制限なくホルモンを分泌させます。過剰なホルモンが甲状腺腫、眼球突出、動悸、疲れやすさ、手や指のふるえ、多汗といった症状を起こすのです。治療は内服薬治療(抗甲状腺剤、ヨード剤)によりホルモン産生量を減らすか、放射性ヨード治療により甲状腺の細胞数を減らすか、手術により甲状腺を小さくしてしまうかの3つの方法があります。薬の適否、甲状腺の腫れ方、血液中の甲状腺刺激抗体などの他、患者さんの生活や要望、年齢などを考えて治療法を選択します。
次に結節(しこり)についてです。結節に対しては、超音波検査やCTなどの画像診断と細胞診を行い、良性か悪性かを鑑別することが重要です。結節の約80%は良性で、残りの20%が悪性です。良性結節には腺腫と腺腫様甲状腺腫があります。腺腫は単発性で、腺腫であることがはっきりすれば、そのまま放置しても問題はありません。
一方、腺腫様甲状腺腫は、左右の甲状腺に大小さまざまな大きさのしこりがいくつもできます。同じ良性でも腺腫様甲状腺腫は、胸腔内にまで入り込んだり、一部に癌が存在する恐れがありますので、場合によっては手術が必要なことがあります。
甲状腺の悪性腫瘍には、乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、髄様癌の4種類の癌と、悪性リンパ腫があります。一般には進行が遅いので早期に外科治療をすれば、治ってしまう可能性の高い癌です。未分化癌は甲状腺癌全体の2%ぐらいにすぎませんが、発育が急速で悪性度が極めて高い癌で、早期の外科治療が望まれます。結節性病変は早期に治療をすれば完全治癒が可能な病気です。前頚部にしこりを自覚されたら、まず受診されることをお勧めいたします。
甲状腺の悪性腫瘍には、乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、髄様癌の4種類の癌と、悪性リンパ腫があります。一般には進行が遅いので早期に外科治療をすれば、治ってしまう可能性の高い癌です。未分化癌は甲状腺癌全体の2%ぐらいにすぎませんが、発育が急速で悪性度が極めて高い癌で、早期の外科治療が望まれます。結節性病変は早期に治療をすれば完全治癒が可能な病気です。前頚部にしこりを自覚されたら、まず受診されることをお勧めいたします。
腹部大動脈瘤
日本人成人の腹部大動脈平均径は男性で約1.8cm、女性で約1.6cmです。大動脈径が2倍以上に膨らんだものを瘤と言います。腹部大動脈瘤(AAA)は50歳代から70歳代に最も多く見られ、性別は男性に多く、男女比は5:1です。95%以上は腎下部大動脈に発生し、約 50%は腸骨動脈瘤を伴っています。原因は90%以上が粥状動脈硬化によるもので、症状は破裂しそうになると出ますが、通常はありません。他の病気で腹部超音波検査やCTを取ったとき偶然発見されることが多いのです。
瘤径が5cmを超えると破裂する可能性が高くなり、破裂すれば大半の方は死亡します。5年以内に破裂する確率は4cmで 10~15%、5cmで20%、6cmで33%、7cmで75~95%になると言われています。一般的には5cmを超えたら手術(人工血管置換術)が必要となります。また腹部大動脈瘤が5cmを超えていなくても腸骨動脈瘤径が3cmを超えていれば、これも破裂の危険性が高く、手術が必要となります。またこの病気は全身の動脈硬化を伴っていますので、手術の際には脳血管障害、虚血性心疾患、腎障害、高血圧症などの十分な検査が必要です。最近は高齢者が多くなり、80歳以上の方の手術例が多くなりました。リスクの悪い人は、血管内治療でステントグラフト挿入術を行うこともあります。
瘤径が5cmを超えると破裂する可能性が高くなり、破裂すれば大半の方は死亡します。5年以内に破裂する確率は4cmで 10~15%、5cmで20%、6cmで33%、7cmで75~95%になると言われています。一般的には5cmを超えたら手術(人工血管置換術)が必要となります。また腹部大動脈瘤が5cmを超えていなくても腸骨動脈瘤径が3cmを超えていれば、これも破裂の危険性が高く、手術が必要となります。またこの病気は全身の動脈硬化を伴っていますので、手術の際には脳血管障害、虚血性心疾患、腎障害、高血圧症などの十分な検査が必要です。最近は高齢者が多くなり、80歳以上の方の手術例が多くなりました。リスクの悪い人は、血管内治療でステントグラフト挿入術を行うこともあります。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化性血管病変の一部分症で、大動脈・腸骨動脈領域、大腿・膝窩動脈領域、下腿動脈領域などの動脈が粥状硬化性変化を起こし、狭窄あるいは閉塞を生じて末梢の虚血性変化もたらす病気です。病状が進行すると下肢、足趾の壊死が発生し下肢切断が必要となることもあります。従って人工血管や自家静脈でバイパスを造る必要があります。
症状としては、最初は寒い日に足が冷たく感じたり、寝床に入っても暖まるのに時間がかかるような状態が出現します。次に数 100m歩くと大腿、下腿のこむらが痛くなって歩けなくなるようになります。さらに進むと足の色が赤紫色あるいは白っぽく血の気が無くなり、少し歩いても痛くなるようになります。また寒い日などはじっとしていても痛みが生ずるようになります。時には、足の趾先が黒くなったり潰瘍を作ったりします。この状態を放置していると突然、足の動脈が詰まってしまい足が虚血状態になり、切断が必要となることもあります。腰からの神経痛とよく似た症状のため、きちんとした検査が必要です。
治療法は、運動療法、薬物療法、手術、血管内治療(血管拡張術、ステント挿入術)などがあります。患者さんの病状の重症度、リスクなどを考慮して、色々組み合わせて治療を行います。
症状としては、最初は寒い日に足が冷たく感じたり、寝床に入っても暖まるのに時間がかかるような状態が出現します。次に数 100m歩くと大腿、下腿のこむらが痛くなって歩けなくなるようになります。さらに進むと足の色が赤紫色あるいは白っぽく血の気が無くなり、少し歩いても痛くなるようになります。また寒い日などはじっとしていても痛みが生ずるようになります。時には、足の趾先が黒くなったり潰瘍を作ったりします。この状態を放置していると突然、足の動脈が詰まってしまい足が虚血状態になり、切断が必要となることもあります。腰からの神経痛とよく似た症状のため、きちんとした検査が必要です。
治療法は、運動療法、薬物療法、手術、血管内治療(血管拡張術、ステント挿入術)などがあります。患者さんの病状の重症度、リスクなどを考慮して、色々組み合わせて治療を行います。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、下肢の静脈弁の弁不全が原因で起こる病気です。弁が正常に機能しないために、下肢の血液の逆流やうっ滞が起こるのです。出産経験のある人や、調理師や美容師などの立ち仕事に従事する人に起こりやすい病気です。静脈瘤は自然には治らず、徐々に症状が進んでいきます。最初は静脈の拡張と蛇行が起こります。次には下肢の重さ、だるさ、疲れやすさ、下肢のむくみ、こむら返りなどの症状が出現します。さらに進むと静脈圧の上昇により、湿疹や皮膚炎が起こったり、赤血球が血管から漏出して黒く色素沈着を起こしたりします。また血栓性静脈炎といって血管内で血が固まり炎症を起こすこともあります。ついには皮膚が硬化し、血流低下による酸素不足が生じ、皮膚が死んでしまい潰瘍を形成します。
静脈瘤の治療には、圧迫療法、硬化療法、手術療法があります。逆流や拡張の程度、症状などを総合的に評価して治療しています。一般的に軽症例は圧迫療法と硬化療法を、重症例には手術療法を選択します。治療を受けられた方は、むくみもとれて足が軽くなったと喜んでおられます。
静脈瘤は慢性の良性疾患であり、生命に関わることはまれです。過度に心配なさる必要はありません。しかし治療しない限り徐々に悪化していきますので、あまり悪くならないうちに受診なさることをお勧めします。
静脈瘤は慢性の良性疾患であり、生命に関わることはまれです。過度に心配なさる必要はありません。しかし治療しない限り徐々に悪化していきますので、あまり悪くならないうちに受診なさることをお勧めします。
深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症
いわゆる“エコノミークラス症候群”と呼ばれている病気です。下肢(大腿、下腿)、骨盤内の静脈(腸骨静脈)に血栓ができ、下肢が腫れたり、痛みがでたり、また血栓が肺にとんだりします。多くの血栓が肺にとぶと極めて危険な状態(肺血栓塞栓症)となり死亡率は高くなります。これまで欧米人に多く、日本人には少ないと考えられて来ましたが、食生活の欧米化、超音波診断装置などの診断技術の進歩に伴い比較的頻度の高い疾患と考えられるようになってきました。妊娠中、外傷・外科手術後の長期臥床、長時間の下肢固定などに脱水などが加わると容易に発生する可能性があります。肺血栓塞栓症は極めて恐ろしい病気ですので、早期発見、早期治療が重要です。
その意味では、超音波診断装置(カラーエコー)は早期診断の有用な武器です。
いわゆる“エコノミークラス症候群”と呼ばれている病気です。下肢(大腿、下腿)、骨盤内の静脈(腸骨静脈)に血栓ができ、下肢が腫れたり、痛みがでたり、また血栓が肺にとんだりします。多くの血栓が肺にとぶと極めて危険な状態(肺血栓塞栓症)となり死亡率は高くなります。これまで欧米人に多く、日本人には少ないと考えられて来ましたが、食生活の欧米化、超音波診断装置などの診断技術の進歩に伴い比較的頻度の高い疾患と考えられるようになってきました。妊娠中、外傷・外科手術後の長期臥床、長時間の下肢固定などに脱水などが加わると容易に発生する可能性があります。肺血栓塞栓症は極めて恐ろしい病気ですので、早期発見、早期治療が重要です。
その意味では、超音波診断装置(カラーエコー)は早期診断の有用な武器です。
手掌多汗症
手掌多汗症とは交感神経の部分的機能亢進状態と考えられており、精神的に極めて軽微な刺激、ストレスなどによって、手掌から多量の発汗をきたす病気です。発生頻度は高く、約200人に1人で、男女比は同一、年齢は10~30歳代に多く、症状は幼少時より認められます。多汗症の患者さんの悩みは、想像以上に大きく、「人と握手が出来ない」「試験の時、答案用紙が濡れてベタベタになり、字が書けなくなる」「子供と手をつなごうとすると濡れるからイヤだと言われる」など様々です。そのため、小・中学生の頃から社会生活を営む上で大きなコンプレックスを感じ、精神的に苦しんでいる方が多くみられます。また医師や他人に相談しない人が大半です。手掌多汗と同時に足底、腋窩にも高頻度に多汗症を合併しています。
保存療法として催眠療法、精神安定剤、抗コリン剤、パウダーなどがありますが一時的な改善のみで充分な結果は得られませんでした。確実な治療法として外科的胸部交感神経切断術があげられますが、開胸手術のため、侵襲度が大きく一般には普及しませんでした。しかし1990年頃より内視鏡下手術の進歩に伴い、胸腔鏡下交感神経切断術が急速に普及してきました。わが国では1994年ころより限られた施設で行われはじめ、本法はその低侵襲性と発汗停止効果が確実であることから最近では多くの施設で行われるようになりました。当科では1995年5月に第1例目の胸腔鏡下交感神経切断術を行いました。
胸腔鏡下交感神経切断術は5~10mmの胸腔鏡を用い、2~3ヶ所の小切開創からポートを挿入、第2・3胸部交感神経節を電気メスで焼き切るものです。入院期間は3~4日間です。本法の効果はてきめんで、患者さんは麻酔からさめるとすぐ「自分の手ではないみたいだ」と喜びを隠しません。しかし術後合併症として代償性発汗が時として問題になる場合があります。時がたつとともに背・腹・腰部などに異常発汗をみることがあり、ごく少ない頻度ですがこの代償性発汗が第2の悩みと感じる人もいます。従って術前に代償性発汗についての充分な理解が必要です。しかし一般的には患者さんの満足度は長期的にみても非常に高いものがあります。
手掌多汗症で人知れず悩んでいる方は意外に多く、胸腔鏡下交感神経切断術によって少しでも快適な生活ができればと思っております。
手掌多汗症で人知れず悩んでいる方は意外に多く、胸腔鏡下交感神経切断術によって少しでも快適な生活ができればと思っております。
癌の治療成績が過去20年間ほとんど改善されていないものの一つに肺癌があげられます。毎年、わが国では5万4千人もの人々が、肺癌で命を失っています。もちろん悪性腫瘍による死亡者数のトップであります。何故、肺癌の治療成績が向上しないかと言いますと、肺癌というものの生物学的悪性度が他の癌と比べ、極めて高いからです。従って、超早期のレベルで発見し、治療につなげないと根治できないのです。最近の研究では、直径 1cmの肺癌は、その腫瘍の時間史の4分の3をすでに経過していると言われています。すなわち、われわれ臨床医が日常経験している肺癌とは、発生してからかなりの年数を経た、いわば根治の時期を失したものを見ている場合が多いのです。
このような中、肺癌に対する早期発見の新しい武器として、ヘリカルCTが注目されています。本法を用いると、胸部単純レ線像では見逃されてきた5mmから7mm程度の淡い腫瘤影、すなわち超早期肺癌が容易に発見出来ます。またレントゲン被爆量も通常のCTの8分の1レベルで、検査時間も約5分ですみます。これまでの肺癌検診での肺癌発見率は、人口10万人に対し、60~90でしたが、CT検診での発見率は、なんと 420~680と飛躍的に向上しました。 その結果、CT検診で発見された肺癌の8割以上は病期Ⅰ期以下のレベルです。
肺癌外科のもう一つの話題として縮小手術があげられます。これまで多くの肺癌切除例を用いた、腫瘍の大きさ、占拠部位、リンパ節転移様式などの研究から、末梢小型肺癌では一定の適応基準に合致した例では区域切除とリンパ節郭清術でも根治手術が可能ではないかと考えられるようになってきました。肺葉切除に比べ、より少ない切除量ですめば、近い将来、末梢小型肺癌に対する拡大区域切除+リンパ節郭清術がGolden Standardとなるでしょう。拡大区域切除+リンパ節郭清術とは、末梢小型肺癌(CT上、2.0cm以下)で術中迅速病理検査を多用し、肺門、縦隔の転移頻度の高いリンパ節に転移のないことを確認しつつ腫瘍占拠区域と腫瘍辺縁2.0cm以内の隣接する亜区域を合併切除し、縦隔までの系統的リンパ節郭清を行うものです。当院では1993年10月より、上述の基準に合致する末梢小型肺癌、特にCT発見肺癌に対して本術式を施行してきました。発見動機別10 年生存率では、通常の肺癌検診発見例は48.2%で、有症状発見例の28.6%、他疾患加療中発見例の30.8%と比べ予後は良好でありますが、全く満足すべき結果ではありません。これに対してCT発見例では5年生存率が91.8%とほぼ満足すべき結果が得られています。また呼吸機能の手術前後の変化でも、本術式は通常の肺葉切除術に比べ、機能低下が軽度で回復率も良好な結果が得られています。このように難治を極める肺癌もヘリカルCTと新しい手術法によって、その治療成績は確実に向上してきています。



























