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富山市立富山市民病院
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診療各科・各部のご案内

各科専門外来の設置や集中治療室を整備し技術向上に努めます。

各科のご案内

皮膚科

 
医療機関名
富山市立富山市民病院皮膚科 日本皮膚科学会認定専門医研修施設

対応疾患

疾患分類 具体的傷病名
湿疹・皮膚炎 アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎
蕁麻疹・痒疹 蕁麻疹、クインケ浮腫、急性痒疹、結節性痒疹、皮膚そう痒症
紅斑症・薬疹 多型滲出性紅斑、スティーブンス - ジョンソン症候群、スイート病、ベーチェット病、結節性紅斑、環状紅斑、薬疹、中毒疹
血管炎・紫斑・脈管疾患 アナフィラクイド紫斑、皮膚アレルギー性血管炎、各種紫斑病、皮斑、下腿潰瘍
物理・化学的皮膚障害 日光皮膚炎、光線過敏症、熱傷、化学熱傷、凍瘡、放射線皮膚炎、褥瘡
水疱症・膿疱症 天疱瘡、水疱性類天疱瘡、掌蹠膿疱症
膠原病および類縁疾患 エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎
炎症性角化症・角化症 尋常性乾癬、膿疱性乾癬、扁平苔癬、ジベルばら色粃糠疹、魚鱗癬、胼胝腫、鶏眼
色素異常症 尋常性白斑、雀卵斑、肝斑
母斑・皮膚良性腫瘍 表皮母斑、扁平母斑、色素細胞母斑、青色母斑、脂漏性角化症、粉瘤、皮膚線維腫、各種皮膚付属器腫瘍
皮膚悪性腫瘍・癌前駆症 悪性黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、乳房外パジェット病、ボーエン病、日光角化症、菌状息肉症
肉芽腫症 環状肉芽腫、サルコイドーシス
細菌感染症 毛包炎、せつ、癰、伝染性膿痂疹、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、蜂窩織炎、丹毒
ウイルス感染症 単純疱疹、帯状疱疹、尋常性疣贅、扁平疣贅、伝染性軟属腫、ウイルス性急性発疹症(水痘、麻疹、風疹)
真菌症 白癬(足白癬、爪白癬、頭部白癬、体部白癬など)、皮膚・粘膜カンジダ症、癜風、深在性真菌症
抗酸菌感染症 真正皮膚結核、結核疹、皮膚非定型抗酸菌症
性感染症 梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ
付属器疾患 尋常性ざ瘡、円形脱毛症
虫・動物が関与する疾患 虫刺症、蜂刺症、毛虫皮膚炎、疥癬、シラミ症、クリーピングディジーズ、ツツガムシ病、マムシ咬症

医師紹介

野村佳弘 医師の写真
  • 野村 佳弘(のむら よしひろ)
  • 外来診療部主任部長
  • 皮膚科部長
  • 金沢大学医学部 昭和59年卒
専門領域
  • 皮膚科一般
  • アトピー性皮膚炎
  • ウイルス性疾患
  • 皮膚腫瘍
資格
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 日本がん治療認定医機構暫定教育医
  • 医学博士
学会
  • 日本皮膚科学会
  • 日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 日本褥瘡学会
モットー・患者さんへの一言
  • 誠実
                            
 
  • 武原 康平(たけはら こうへい)
  • 皮膚科医師
  •  
専門領域
  • 皮膚科
学会
     日本皮膚科学会
モットー・患者さんへの一言
  • 全力で診療します。
 

外来診療日

医師名 外来診療日
初診 再診
野村 佳弘 月・火・水・木・金 月・火・水・木・金
道下 和典 月・火・水・木・金 月・火・水・木・金

診療科の特色

皮膚科は皮膚に現われた病変や異常を対象とする診療科です。皮膚疾患には、皮膚に原因があって生じる病変や内臓病変に関与して皮膚に現われる病変など非常に多くの病気があります。地域の中核病院の皮膚科として、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、足白癬(みずむし)、尋常性ざ瘡(にきび)、尋常性疣贅(いぼ)、母斑細胞母斑(ほくろ)などの身近な疾患から成人アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、蜂窩織炎、帯状疱疹、成人水痘、血管炎、自己免疫性水疱症、皮膚腫瘍などのような難治性または入院治療を要する疾患まで皮膚疾患全般にわたり対応できるよう努めています。
皮膚疾患の診断の基本は視診ですが、必要に応じて血液検査、画像検査、皮膚科専門的検査(パッチテスト、顕微鏡検査、ダーモスコピー、皮膚生検など)を行い、正確に診断するよう心掛けています。手術や生検の検査結果はバーチャルスライドというシステムを利用して、実際の病理組織像を示しながらわかりやすく説明しています。治療は標準的な治療法を基本としますが、症状の程度、身体の状態および患者さんの希望を考慮して治療方針を決め、治療するようにしています。尋常性乾癬や尋常性白斑などの疾患に対して光線療法を行っていますが、従来からのPUVA療法に加えてナローバンドUVB療法という新しい光線療法も可能です。また、皮膚癌や膠原病などの内臓病変を伴う疾患においては、他科と協力して適切な治療を行うようにしています。

診療実績

診療実績(2014/04/01~2015/03/31)
外来延べ患者数 12,632名
入院患者数 126名
手術件数 97件
生検件数 83件
疾患別入院患者数
疾患名 人数
湿疹・皮膚炎群 3
蕁麻疹、血管性浮腫、アナフィラキシー 8
スティーブンス・ジョンソン症候群 1
薬疹、中毒疹 9
結節性紅斑 1
成人スチル病 1
水疱性類天疱瘡、天疱瘡 6
乾癬 2
蜂窩織炎、丹毒 38
帯状疱疹 51
成人水痘 2
ツツガムシ病 1
下腿潰瘍 2
マムシ咬症 1

主な病気

アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はよくなったり悪くなったりをくり返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする病気です。その原因は今のところ充分に明らかにされていませんが、アトピー素因というアレルギー的側面と皮膚のバリアー機能の低下という非アレルギー的側面があることが一般に認められています。
アトピー性皮膚炎の炎症に対しては主にステロイド外用薬の塗布を行い、バリアー機能の低下に対しては保湿剤の外用などによるスキンケアを行い、かゆみには抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を補助的に併用し、日常生活を見直して悪化因子をできるだけ除去することが標準的な治療とされています。当科では、発疹の重症度に応じてステロイド外用薬のランクを選択し、炎症症状が改善するに従ってランクをさげ、炎症症状がおさまれば保湿剤やワセリンなどのスキンケア的な外用剤に変更するようにしています。特に副作用の生じやすい子供の患者さん、顔面、頚部などの部位では定期的な診察と細やかな外用指導に心掛けています。また、タクロリムスという免疫調整薬の外用薬も必要に応じて使用しています。この薬剤は中等度のステロイド外用薬と同じほどの効果があり、潮紅、皮膚萎縮という副作用がないという長所をもつ薬剤です。効果、副作用および使用方法についてよく説明し、理解していただいた上で治療に使用しています。また、居住環境、食事、入浴、衣服などに関する生活指導を行い、必要に応じて悪化因子の確認のためにパッチテスト、IgE値 (RAST法)測定などの検査を行っています。
皮脂欠乏性皮膚炎(ひしけつぼうせいひふえん)
健康な皮膚は角質層に一定量の水分を含みうるおいがあります。
皮膚の角質層の水分量は、皮脂(皮脂腺から分泌される脂)、天然保湿因子、角質細胞間脂質(セラミドなど)の3つによって保たれています。加齢とともに皮脂やセラミドが減少する傾向があり、高齢者では角質層の水分量が減って乾燥肌になりやすいです。皮膚が乾燥するとかゆみを生じやすくなり、軽い刺激や掻くことにより湿疹病変が加わります。冬季には皮脂の分泌が減少し、空気が乾燥するため、症状が悪化する傾向があります。
症状
皮膚は乾燥し、表面には細かい白い皮がむけ、湿疹病変が見られます。特に下腿に起こりやすいです。
治療
皮膚の乾燥を抑えるために保湿外用剤を塗布し、湿疹病変に対してはステロイド外用薬を用います。かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を併用します。
過度の暖房や部屋の湿度の低下に注意し、入浴はぬるめにして、長湯はさけるのがよいでしょう。アカスリ・ナイロンタオルの使用や強い摩擦は肌を刺激するのでよくありません。脱脂力の強い石鹸の使用は避け、石鹸の使いすぎに気をつけてください。入浴後にクリームや ローションを塗ることは、皮脂欠乏性皮膚炎の予防になります。
皮脂欠乏性皮膚炎の写真
皮膚そう痒症(ひふそうようしょう)
肉眼的には皮膚に何の変化もないのにかゆみを生じる状態を皮膚そう痒症といいます。
皮膚そう痒症には、比較的限局した部位にかゆみが生じる限局性皮膚そう痒症と全身のいたるところにかゆみを生じる汎発性皮膚そう痒症があります。
  • 限局性皮膚そう痒症
外陰部や肛門周囲に起こることが多く、痔、脱肛、便秘、おりものの増加などが原因となります。
  • 汎発性皮膚そう痒症
大部分は老人性皮膚そう痒症です。高齢者では皮脂の分泌が減り、皮膚の角質層における水分量が低下するため、わずかな刺激によってもかゆみを生じやすくなります。冬期に発症することが多いです。
また、内臓疾患により起こることもあり、原因となる疾患は肝疾患(黄疸、肝炎、肝硬変)、腎疾患(慢性腎不全、透析中)、内分泌・代謝疾患(甲状腺機能亢進・低下症、糖尿病、痛風)、血液疾患(多血症)、悪性腫瘍(特にリンパ球系の悪性腫瘍)など多岐にわたっています。長期間にわたり症状が持続する場合は、内臓疾患がないか注意が必要です。
治療
原因と考えられる疾患がある場合は、まずその疾患に対する治療を行います。原因疾患が明らかでない場合や原因疾患の治療にもかかわらず症状が改善しない場合は、対症的に抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服や止痒効果のある外用剤の塗布を行います。老人性皮膚そう痒症では保湿剤を塗布しますが、多くの場合に抗ヒスタミン薬などの内服の併用が必要です。また、掻破により湿疹が加わっている部にはステロイド外用薬を塗布します。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
境界のはっきりした、周りの皮膚よりわずかに盛り上がった赤い発疹で、表面に白い厚い角質を付けるのが特徴です。頭、肘、膝にできやすい傾向があります。遺伝的体質に環境因子が加わり発症するとされていますが、原因はまだ不明です。もともと欧米人に多い疾患ですが、最近は日本人においても増加する傾向があります。
軽症例ではステロイド外用薬およびビタミンD3外用薬の外用療法を主体とし、症状や部位により使い分けています。中等症以上の例では紫外線照射装置による光線療法(PUVA療法、ナローバンドUVB療法)の併用を考慮します。重症例ではエトレチナートまたはシクロスポリンの内服を組み合わせることもあります。掻くことにより発疹は悪化するので、かゆみのある場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を併用します。
尋常性乾癬の写真
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症です。このウイルスに初めて感染すると水痘(水ぼうそう)を発症しますが、水痘が治ったあともそのウイルスは体のなか(神経節)に潜伏します。そして、加齢、疲労、手術、内臓疾患などで体の抵抗力が弱まると、ウイルスが再び活発となり、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹の写真
症状
体の左右のどちらか片方に神経痛のような痛みが起こり、しばらくするとその部の皮膚が赤くなり、小水疱が出現します。発疹は次第に神経にそって広がります。重症の場合は、水痘のように体のあちこちに小水疱が多発したり、発熱やだるさを伴ったりします。頭や顔に生じた場合は特に症状が重いことが多いですが、三叉神経の第1枝の部位が侵されると眼に合併症を起こすことがあり、眼科での診察が必要となります。通常、発疹は2週間ほどで軽快し、痛みも1週後あたりから次第に軽くなり、2~4週間で消失します。しかし、重症例では1カ月間を過ぎても消えることなく、その後も頑固な痛みが続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。また、発疹の軽快後に瘢痕を残し、美容的に問題となることもあります。高齢者や免疫異常を伴う病気のある人では重症になることが多く、注意が必要です。
治療
症状の程度により治療法が異なります。軽い場合には鎮痛薬の内服や外用薬の塗布程度の治療でよいのですが、症状がやや強い場合や今後重症化が疑われる場合には原因ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の投与が必要となります。重症な場合には入院して、抗ウイルス薬の点滴注射などの治療を行います。痛みが高度な場合はペインクリニック科と連携して治療にあたっています。
急性期には安静を保ち、神経痛を残さないためには早期より痛みを充分に抑えることが重要です。患部を冷やすと痛みが増すので、保温が望ましいです。
この病気がきっかけで内臓疾患が見つかることもあります。帯状疱疹の後遺症を残さないためには、早期に適切な治療を開始することが重要です。帯状疱疹が疑われたら、早めに皮膚科で診察を受けるとよいでしょう。
足白癬(あしはくせん)
俗にいう水虫のことです。足白癬は白癬菌というカビによる感染症で、白癬菌が足の皮膚の角質層にすみつくことによって起こる病気です。
症状
臨床症状により次の3つのタイプに分けられます。
  • 趾間型 足のゆびの間がふやけて皮がむけたり、ただれたりするタイプです。
  • 小水疱型 足の裏や縁に小さな水疱が多発するタイプです。
  • 角質増殖型 足の裏の角質が厚くなり、皮がむけるタイプです。
1と2のタイプではかゆみを伴います。3はかゆみがなく乾燥しているため、水虫とは思われず見逃されることが多いです。
診断
皮膚の症状から診断できることが多いですが、市販の軟膏やステロイド外用薬などを塗って症状が修飾されていると、診断は必ずしも容易ではありません。また、汗疱や皮膚炎などの他の病気でも水虫に似た症状を呈することがあります。診断の確定には、病変部のはがれた角質を顕微鏡でしらべ、白癬菌を証明する必要があります。
治療
白癬菌に対し抗菌力を持つ外用薬を毎日決められた回数、広めにうすく塗布します。風呂上がりの塗布が効果的です。症状がなくなってもさらに1カ月間以上は塗布を続けないと再発します。一応の目安は3カ月間です。ただし、角質増殖型は治りにくく、内服薬による治療が必要なこともあります。爪白癬(いわゆる「爪水虫」)を合併している場合は、爪も治さないと足白癬を繰り返します。爪白癬も内服治療が必要です。
日常生活では石鹸を使用しよく洗い清潔にして、乾燥した状態を保つようはきものや靴下に注意します。油や酢をつける、やけた砂の上を歩くなどの民間療法は、かぶれややけどを起こす危険がありますので止めましょう。
水虫はありふれた病気であるため軽くみなされがちですが、水虫によるただれから細菌が侵入して時に蜂窩織炎という重症細菌感染症を合併することがあります。特に糖尿病のある方では、そのような感染をきっかけとして糖尿病性壊疽を引き起こすことがありますので、充分な注意が必要です。
疥癬(かいせん)
疥癬虫(ヒゼンダニ、大きさ0.4mm以下)が皮膚の角質内に寄生して、そこで産卵・増殖して全身にかゆみを伴う発疹が出現する病気です。疥癬患者の皮膚との接触によってうつることがあり、老人施設や病院で集団発生することもあります。普通の疥癬ではそれほど感染力は強くありませんが、免疫機能が弱い人や誤診により長期にわたりステロイド外用薬を塗布した人では非常に感染力の強い重症型のノルウェー疥癬になることがあります。ここでは、普通の疥癬について説明します。
症状
感染して約1カ月間は潜伏期間といって全く症状がありません。その後、身体のあちこちに湿疹や虫さされのような発疹が出現して、次第に増加します。かゆみは特に夜間に激しくなり、眠れないほどであることが多いです。発疹は湿疹や虫さされとよく似ているため、皮膚科専門の医師でないと診断が難しいことが多いです。湿疹の治療をしてもよくならない、周りに同じような症状の人がいるなどの場合は、疥癬の可能性も考えたほうがよいでしょう。わきの下や外陰部にやや大きめの硬いブツブツがあったり、指の間、手のひら、足のうらに小さい水疱や白色の線状の発疹(疥癬トンネル)があったりすれば、疥癬が強く疑われます。
確定診断
疥癬トンネルなどの発疹より角質を採取し、顕微鏡検査で虫体や虫卵を認めることにより診断が確定します。
治療
内服療法と外用療法があります。内服療法はイベルメクチンという駆虫剤を1回服用し、1週間後にもなお虫卵・虫体が残っていればもう1回服用を追加します。外用療法は殺虫効果のある外用剤を塗布する方法です。当科では安息香酸ベンジル、オイラックスなどを使用しています。かゆみに対して抗ヒスタミン薬の内服を併用します。外用剤はくびから下の皮膚にまんべんなく塗布することが重要であり、特に手指、わきの下、外陰部は念入りに塗布します。外用は症状の経過をみながら2~3週間続けます。内服療法、外用療法のいずれを行うかは、年齢、身体状態、症状により決めています。イオウを含む入浴剤の使用もある程度の効果がありますが、皮膚の乾燥や皮膚炎の合併に注意する必要があります。また、感染の可能性がある周りの人は、症状がなくても同時に予防的な治療をするのが望ましいです。
  • 疥癬の写真
    • 疥癬
  • 疥癬虫の写真
    • 疥癬虫
  • 疥癬トンネルの写真
    • 疥癬トンネル
皮膚癌、癌前駆症
人口の高齢化や紫外線曝露量の増加などにより、近年皮膚癌は増加してきています。癌においては、早期に診断し、進行する前に適切に治療することが最も重要です。皮膚癌は目に見えるところに発生するので、最も早期発見が可能な癌といえます。ただし、進行癌は一見して癌とわかりますが、癌前駆症や早期癌は湿疹やイボなどの良性の病変に似ることがあるので、皮膚科の専門医でないと診断が難しい場合があります。また、正確な診断には、病変の一部を手術的に採取(生検)して、病理検査で確認をする必要があります。ホクロやイボのようなできものでも、最近急に大きくなった、ただれやすくなったとか、悪性でないかと心配している方は、ぜひ診察を受けることをお勧めします。
  • 日光角化症
表皮細胞の前癌病変です。高齢者の顔面、手背などの露出部に発生し、ゆっくりと大きさを増します。放置すると約20%は有棘細胞癌になるといわれています。急速な増大・隆起、中央部のただれは癌化の兆候とされています。
  • 日光角化症の写真1
  • 日光角化症の写真2
  • ボーエン病
腫瘍細胞が表皮のなかに限局している有棘細胞癌です。慢性湿疹、乾癬、脂漏性角化症 (老人性のイボ)の発疹のように見えるため、誤診されやすい腫瘍です。
  • ボーエン病の写真1
  • ボーエン病の写真2
  • 乳房外パジェット病
アポクリン腺癌が表皮のなかで増殖したものと考えられています。主に外陰部、時に肛門周囲、わきの下に生じます。湿疹のようにみえるため、漫然と湿疹として治療されていたり、放置されていたりすることが多いです。腫瘤の出現は癌化の兆候です。
  • 乳房外パジェット病の写真1
  • 乳房外パジェット病の写真2
  • 基底細胞癌
中高年者の顔面に生ずるホクロ様の小腫瘤で、大きくなると中心部がただれることが多いです。転移することは稀ですが、放置すると深部にまで増殖し、筋肉や骨を破壊します。ダーモスコピー検査は、基底細胞癌の診断に役立つ検査法です。
  • 基底細胞癌の写真1
  • 基底細胞癌の写真2
  • 基底細胞癌の写真3
  • 有棘細胞癌
表皮細胞の癌であり、進行すると転移します。瘢痕、放射線治療後の皮膚、日光角化症、ボーエン病から発生するものが多いです。やけどやけがのあとの瘢痕に治りにくい傷や腫瘤が生じた場合はこの癌を疑う必要があります。
  • 有棘細胞癌の写真1
  • 有棘細胞癌の写真2
  • 悪性黒色腫
「ホクロの癌」と呼ばれ、転移しやすく悪性度の高い癌です。早期発見がきわめて重要な癌です。
日本人では足のうらに発生することが多いですが、早期のものはホクロと区別しにくいので、足のうらに生じた黒色調の発疹には要注意です。その他の部位でも大型のホクロや形がいびつで、色のつき方にむらがあるようなホクロには注意が必要です。ダーモスコピー検査は診断の参考になります。
  • 悪性黒色腫の写真1
  • 悪性黒色腫の写真2

主な検査

パッチテスト
接触皮膚炎の原因、アトピー性皮膚炎の悪化因子をしらべるための検査です。検査する物質を適当な濃度の軟膏または液剤として、パッチテスト用の絆創膏につけ、正常な皮膚面に貼付し、48時間後に取り除きます。48および72 時間後に判定します。当科では、金属アレルギーの有無をしらべるためのパッチテストも行っています。
光線テスト
光線過敏症の診断のために行う検査です。発疹の見られない皮膚に長波長紫外線(UVA)、中波長紫外線(UVB)を様々な量で照射し、24、48および72時間後に判定します。
顕微鏡検査
真菌(カビ:白癬菌、カンジダなど)、寄生虫(疥癬、シラミなど)による病気の診断のために行います。
ダーモスコピー
色素性病変に超音波検査用のゼリーを塗布し、強い光線を照射する拡大鏡で観察する検査法です。この検査で確認できる色素沈着のパターンが、色素細胞母斑(ホクロ)、悪性黒色腫、基底細胞癌、脂漏性角化症、血管腫などの診断に役立ちます。特に足底の悪性黒色腫の早期病変の診断に有用です。
生検(皮膚組織片採取)
正確な診断をくだすため、皮膚病変の一部または全部を手術的に採取し、組織標本を作製し、病理組織学的に(顕微鏡検査により)しらべる検査です。

新しい治療法

ナローバンドUVB療法
ナローバンドUVB療法は、中波長紫外線(UVB)の中の非常に幅の狭い波長域(309~313nm)の紫外線だけを照射する新しい光線療法です。
これまで皮膚科では、尋常性乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、類乾癬、菌状息肉症、難治性アトピー性皮膚炎などの疾患に対してPUVA療法という光線療法を行っていました。PUVA療法は、ソラレンという薬剤を塗布した後に長波長紫外線(UVA)を照射する方法ですが、ソラレンは日焼けを起こしやすくする作用があるため、治療後に日光暴露を避ける必要がありました。一方、ナローバンドUVB療法は、薬剤の塗布がなく簡便で、 PUVA療法のような治療後の遮光を必要とせず、露出部の病変にも行えるという利点があり、またPUVA療法の対象となる多くの疾患に同様の効果があることが明らかにされています。特に、尋常性白斑に対する有効性が注目されています。当科では、主に尋常性乾癬、尋常性白斑の治療にナローバンドUVB療法を行っています。2台の紫外線照射装置(デルマレイ-200、デルマレイ-800)を備えていますので、小さな病変から全身の病変まで対応することができます。

ここまで本文です。

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