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富山市立富山市民病院
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電話番号 076-422-1112
〒939-8511 富山市今泉北部町2番地1
  法人番号 9000020162019

ホーム>診療各科・各部のご案内>各科のご案内>小児科>当院胎児心臓エコー検査について

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診療各科・各部のご案内

各科専門外来の設置や集中治療室をはじめ、
高度管理治療室を整備し技術向上に努めます。

各科のご案内

当院で胎児心臓エコー検査を担当いたします小児科医長の橋本郁夫です。当院で行っております出生前の胎児の心エコー検査についてご説明させていただきます。
当院は平成21年10月、高度先進医療として富山大学附属病院に引き続き富山県内2番目に国から認可を得ました。本来出生前の胎児の心臓超音波検査は、国民健康保険の対象にはなっておりません。またこの検査は高度なかつ専門的な技術を要するだけでなく、1回あたりの検査の時間も長く、そのためなかなか一般的な通常検査として普及するには至っておりません。このような出生前診断がどこまで生まれてきた赤ちゃんの予後を改善できているかというのは病気の重症度にもよりますが、私が医師となった20年前に比べて生後1ヶ月以内に心臓の病気のためにショック状態で運ばれてくる赤ちゃんは確実に減ってきています。先天性心疾患の多くは、母体の子宮内の環境にあるうちは、心不全も無く正常の発育を示します。胎児の血液の流れは、母体から臍帯を通じて栄養や酸素を得ている状態(胎児循環)から出産を契機にほんの数秒で自分の肺から酸素を得るという通常の循環へ切り替わるダイナミックな変化が起こります。ほとんどの赤ちゃんはこの変化とストレスに耐えて正常に出産し成長できますが、心臓に何らかの異常があると病状によっては酸素や血圧が十分に得られなくなるなどの障害が生じる場合があります。その障害が出生後急を要することもあり、このような場合には出生前に診断をつけておく必要があります。また、胎内にいるうちに状態の悪くなる例もありそのような場合は妊娠出産に関して慎重な管理が必要となる場合もあります。

出産前に診断することが重要と考えられる疾患

  • 重症大動脈弁狭窄症
    • 先天的に大動脈弁が狭く、狭窄の程度が強いと子宮内で重度な心不全状態となってしまいます。子宮内で出来るだけ早期に診断し適切に娩出してあげないと心筋自体が障害され胎内死亡あるいは娩出後も心不全状態が続くことがあります。
  • 動脈管依存性先天性心疾患
    • 動脈管という赤ちゃんが胎内にいるときは無くてはならない血管が大動脈と肺動脈の間にあります(図1)。この血管を通じて母親からの臍帯血の一部が赤ちゃんの全身に送られることになります。この血管は赤ちゃんが娩出され肺への血流が増えると同時に必要がなくなるため通常は2?3日で完全に閉鎖してしまいます。しかし、先天性心疾患の中には、例えば肺動脈閉鎖症(生まれながらに右心室と肺動脈の間の弁が閉鎖しています、図2)などのように娩出後も肺への血流がこの動脈管からの血流だけに依存している病気があります。これらの病気では出産後動脈管の自然閉鎖とともに肺へ送られる血液が途絶してしまうため赤ちゃんの肺には血液が流れなくなるためショック状態となり最悪亡くなってしまいます。恐ろしいのは生まれたあと動脈管が閉鎖するまでの間は比較的元気でいる赤ちゃんもいるということです。動脈管は何時閉鎖するかは予測ができません。また、この動脈管は酸素を赤ちゃんに投与すると急激に閉鎖する方向へ向かう性質を持っています。ですから、生まれた後ちょっと顔色が悪いからという理由で酸素をむやみに投与されると動脈管が閉鎖し途端にショック状態に陥ることがあります。このような心臓病を持った赤ちゃんは生まれた時点から顔色が悪いことも多く、生まれてすぐに酸素を投与されることも少なくありません。こういう病気こそ出産前に的確に診断する必要があります。
  • 胎児動脈管早期閉鎖
    • 妊娠経過中に胎児の動脈管が狭窄あるいは閉鎖してしまう状態です。そのことによって胎児に強い心不全を起こすことがあります。妊娠週数にもよりますが早期に診断し娩出してあげれば心不全の改善が期待できます。
  • 胎児不整脈
    • 胎児においても成人同様心臓の脈の乱れが起こることがあります。先天性心疾患に関連して起こることもありますし、母体の影響で起こることもあります。まったくこれらに関連の無い場合もあります。胎児に不整脈を認めるからと言って必ずしもすべて経過が悪くなると言う訳でもありません。妊娠経過中に減少あるいは消失し出産後も赤ちゃんに悪影響を与えないものも多くあります。しかし、中には脈が極端に遅い状態(徐脈)や逆に速い状態(頻脈)が続き心不全を呈する場合があり早期の診断が必要です。不整脈によっては母体から薬を投与することによって治療できるものもありますが、早期の娩出が必要になる場合もあります。
  • 心臓図1
  • 心臓図2

どのよう妊婦さんに受けていただきたいか

当院ではできるだけ希望者であれば全員に受けていただいております。当然、通常の妊婦検診で胎児の心臓に異常を疑われた方は受けていただいた方がよいのですが、当院ではスクリーニング的な意味での検診も行っております。胎児心エコー検査が富山をはじめとした北陸地区では十分に行える施設がまだまだ少なく、以下に該当するような妊婦さんや近隣産科からのご依頼も受けていけるような体制を組みました。

胎児心臓エコー検査を受けられることをお勧めする妊婦さん

  • 通常の産科の検診で異常を指摘され、主治医から胎児の心臓の精査を勧められた方
    • 具体的には
      • 赤ちゃん(胎児)が正常より小さくその原因がはっきりしない
      • 羊水が異常に多いあるいは少ない
      • 染色体の異常が疑われる
      • 心臓以外の奇形が疑われる
      • 赤ちゃんの心臓の脈に異常が認められるなど
  • 兄弟(姉妹)、両親あるいは親戚に心臓病の方がいる(いた)
  • 兄弟(姉妹)に原因不明の突然死された方がいた
  • 心配なので出産までに一度検査してもらいたい
などです。特に当院では特別な紹介がなくても4の理由でも検査を行っております。

実際の検査について

検査時間はおおよそ30分~45分くらいが必要です。病気によってはそれ以上の検査時間を要することもあります。
ベッド上に上向きに寝て頂いてお臍の近くに超音波を当てて胎児の心臓を観察します。検査をお受けになり妊婦さんの前にも検査をしている私が見ている画面と同じものがモニター上に映し出されます。できるだけわかりやすくご説明をするように心がけておりますが、検査に没頭しているときなどはご説明が後になることもあります。しかし、ご不明なときは遠慮なくご質問していただいて構いません。また、1回の検査では必ずしも診断がくだせず繰り返し検査をさせていただくこともありますことをご了承ください。

近隣の産科および医療関係者へ

当院では胎児心臓病のスクリーニングに関して積極的に取り組んでおります。周産期死亡は昔と比較し目覚ましい改善が得られております。しかし、依然先天性心疾患が周産期死亡の一因になっていることは否定できません。一般の方々に対して先天性心疾患が出生前に診断できることとそれにより多大なメリットがあることを知っていただくことが我々の目指すところです。そのためには長い検査時間と専門性の要求される胎児心臓エコー検査を如何にしてスクリーニングレベルで行うようにするかという難しい問題があります。そのための一つの取り組みとして我々は適応ある妊婦さんだけでなく広く一般の希望者にも検査を行えるよう体制を組みました。近隣の産科の先生方で胎児心臓エコーに適応のある患者様あるいは希望のある患者様がおられましたらお気軽に紹介いただけたらと思います。胎児心エコー検査を依頼していただいた患者様に結果のレポートをお渡しし、基本的にはご紹介いただいた産院で経過を診ていただくことにしております。病状等によっては出産場所を含めご相談させていただきます。

ご質問お問い合わせについて

富山市民病院
076-422-1112小児科 橋本(7034)まで

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