医療の質指標(QI)24年度

富山市民病院は、平成23年度より社団法人日本病院会が実施するQI推進事業に参加しています。
QI推進事業とは、診療のプロセスとアウトカムに関する指標「医療の質指標(Quality Indicator:QI)」を測定・公表することにより、医療の質を知り改善を図るものです。 今後、当院が測定しているQIを、ホームページに公表するとともに、市民の皆様に安心と満足を提供できる病院となるため、QIの向上に努めてまいりたいと考えております。

○平成24年度QI

1.急性期医療に関する指標
(1)手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率 (2)退院後6週間以内の救急医療入院率
(3)手術後の患者の肺血栓塞栓症の発生率
(4)急性心筋梗塞患者に対する退院時アスピリンあるいは硫酸クロピドグレル処方率
(5)手術後の患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 (6)救急車受入台数
2.がん診療に関する指標
(7)乳癌患者での乳房温存手術の割合
3.生活習慣病に関する指標
(8)糖尿病患者の血糖コントロール
4.医療安全に関する指標
(9)入院患者の転倒・転落発生率 (10)入院患者の転倒・転落による損傷発生率 (11)褥瘡発生率
(12)死亡退院患者率

1.急性期医療に関する指標

(1)手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

①計算方法
分子:手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された退院患者数
分母:入院手術を受けた退院患者

②説  明
手術開始前に予防的抗菌薬を投与することで、手術創の感染性合併症を減少させることができます。抗菌薬の投与は手術により近い時間帯に投与することで、より効果的な合併症の抑制が行えることから、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬を投与することが望ましいとされています。

H24QI①手術開始前1時間以内の予防抗菌薬投与率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(2)退院後6週間以内の救急医療入院率

①計算方法
分子:退院後6週間以内の救急入院患者数
分母:退院患者数

②説  明
当院を退院された患者様のうち、退院後6週間以内に予定外の再入院となられた割合です。この指標が低いほど、患者さんは十分な医療を受けて退院されたということができます。

H24QI②退院後6週間以内救急医療入院率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

はいけっせんそくせんしょう
(3)手術後患者の肺血栓塞栓症の発生率

①計算方法
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症を発生した患者数
分母:肺血栓塞栓症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数

②説  明
肺血栓塞栓症とは、静脈系に出来た塞栓子(血栓、脂肪、空気、腫瘍、など)が血流に乗って運ばれ肺動脈につまり閉塞する疾患ですが、手術後の合併症として起きやすいものです。
肺血栓塞栓症は起きると死亡率が高い疾患であるため、起こさぬよう細心の注意を持って予防に努めてまいりたいと考えております。

H24QI③手術あり患者の肺血栓塞栓症発生率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(4)急性心筋梗塞患者に対する退院時アスピリンあるいは硫酸クロピドグレル処方率

①計算方法
分子:分母のうち、退院時処方でアスピリンあるいは硫酸クロピドグレルが処方された患者数
分母:急性心筋梗塞あるいは再発性心筋梗塞の退院患者数

②説  明
急性心筋梗塞においては、病状が安定したとしても治療はそこで終わりではなく、再発を防止するため継続的に予防薬を服薬する必要があります。
本指標は急性心筋梗塞患者が退院された場合に、予防薬が処方された割合を示しています。

H24④急性心筋梗塞患者に対する退院時アスピリン処方率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(5)手術後の患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

①計算方法
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策(弾性ストッキングの着用、
間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固療法のいずれか、または2つ以上)が実施された患者数
分母:肺血栓塞栓症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数

②説  明
肺血栓塞栓症は手術の合併症として起きやすいものであるため予防対策が重要です。当院においては、ほぼ全ての患者さんに対して予防対策を行っております。

⑤手術あり患者の肺血栓塞栓症の予防対策実施率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(6)救急車受入台数

①計算方法
年間救急車受入台数

②説  明
救急車の受入台数を把握する事により、どれだけ地域の救急医療に貢献したのかを測定することができます。
当院は、急性期病院として、また地域医療支援病院として、今後とも地域の救急医療に貢献できる体制を整えていきたいと考えています。

H24QI⑥救急車受入台数

2.がん診療に関する指標

(7)乳癌患者での乳房温存手術の割合

①計算方法
分子:乳がん部分切除件数
分母:乳がん手術件数

②説  明
乳がんは早期に発見することで、部分的にがん細胞を切除し乳房を温存する「乳房温存手術」を行うことができます。
「乳房温存手術」を行うためには、マンモグラフィなどの検診を積極的に受診し、乳がんを早期に発見することが重要です。

H24QI⑦乳がん患者に対する乳房温存手術施行率

3.生活習慣病に関する指標

(8)糖尿病患者の血糖コントロール

①計算方法
分子:HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数
【HbA1c( JDS )の最終値が6.6%未満の外来患者数】
分母:糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数

②説  明
HbA1cは、血糖値のコントロール状態を示す指標で、糖尿病による合併症を予防するためには、HbA1cを7.0%未満に維持することが重要です。
HbA1cを7.0%未満に維持するためには、処方する薬剤の種類や量を適切に選択する事が重要です。

H24QI⑧糖尿病患者血糖コントロール

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

4.医療安全に関する指標

(9)入院患者の転倒・転落発生率

①計算方法
分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数
分母:入院延べ患者数

②説  明
本指標は、入院されている患者さんのうち転倒・転落が発生した割合をまとめたものです。
当院では、職員への研修や設備の充実を通じて転倒・転落事故が生じぬよう、仮に生じてしまっても重度のケガにならぬよう体制を整えています。

H24QI⑨入院患者の店頭・転落発生率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(10)入院患者の転倒・転落による損傷発生率

①計算方法
分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち損傷レベル4
(注)以上の転倒・転落件数
分母:入院延べ患者s数

(注)損傷レベル4
手術、ギブス、牽引、骨折を招いた・必要となった、または神経損傷・身体内部の損傷の診察が必要となった。

②説  明
本指標は、入院されている患者さんのうち転倒・転落により生じた一定程度のケガの発生状況をまとめたものです。

H24QI⑩入院患者の転倒・転落による損傷発生率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

じょくそう
(11)褥瘡発生率

①計算方法
分子:調査機関における分母対象患者のうち、d2(注)以上の褥瘡の院内新規発生患者数
分母:入院延べ患者数

(注)d2
真皮までの損傷

②説  明
褥瘡とは、患者さんが長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすものをいい、一般的には「床ずれ」と呼ばれるものです。当院では、褥瘡対策を専門的に行う認定看護師の配置や褥瘡対策を行う委員会の設置を通じて褥瘡発生率の低下に努めています。

H24QI⑪褥瘡発生率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。

(12)死亡退院患者率

①計算方法
分子:死亡退院患者数
分母:退院患者数

②説  明
当院から退院された患者さんのうち死亡された患者さんの割合を示しています。
当院では、患者さんに対する治療を全力で行ってはおりますが、重症の患者さんを受け入れるとどうしても高くなってしまう指標です。
今後、より多くの重症患者を受け入れつつも、お亡くなりになられる患者さんの割合が少しでも低くなるよう、高度な医療の提供に努めてまいりたいと考えております。

H24QI⑫死亡退院患者率

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2012年度QIプロジェクト(QI推進事業)結果報告」より引用しています。