富山市民病院は、平成23年度より社団法人日本病院会が実施するQI推進事業に参加しています。
QI推進事業とは、診療のプロセスとアウトカムに関する指標「医療の質指標(Quality Indicator:QI)」を測定・公表することにより、医療の質を知り改善を図るものです。
今後、当院が測定しているQIを、ホームページに公表するとともに、市民の皆様に安心と満足を提供できる病院となるため、QIの向上に努めてまいりたいと考えております。
○平成27年度QI報告(平成26年度はこちら)
(17)糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c(NGSP)<7.0% |
(18)死亡退院患者率 |
(19)入院患者の転倒・転落発生率 |
(20)入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上) |
(21)入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル4以上) |
(22)褥瘡発生率 |
(23)紹介率 |
(24)逆紹介率 |
(25)救急車・ホットラインの応需率 |
(26)救急車受入台数 |
1.疾患に関する指標
(1)尿道留置カテーテル使用率
①計算方法
分子:尿道留置カテーテルが挿入されている入院延べ患者数
分母:入院延べ患者数
②説 明
入院されている患者さんのうち尿道留置カテーテルを使用した患者さんの割合を示しています。尿道留置カテーテル使用による尿路感染は、ハイリスク患者では膀胱炎、腎盂炎、敗血症に至ることがあるため、管理の徹底に努めています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(2)特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
①計算方法
分子:手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
分母:特定術式の手術件数
②説 明
急性心筋梗塞は通常発症後2~3ヶ月以内に安定化し、大多数の患者は安定狭心症または安定した無症候性冠動脈疾患の経過を辿ります。
このため手術執刀開始の1時間以内に、適切な抗菌薬を静注することで感染を予防することができると考えています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(3)特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
①計算方法
分子:術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数(冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
分母:特定術式の手術件数
②説 明
抗菌薬の予防投与は24時間を超えて投与しても、それ以降の効果には差が無いとされており、さらに長期間にわたって投与を続けると、むしろ抗菌薬耐性菌の検出およびそれらの耐性菌による術後感染のリスクが上昇する恐れもあることから、特に欧米において、特別な理由がない限り24時間以内に予防的抗菌薬投与を中止すべきとされています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(4)急性心筋梗塞患者における入院後早期アスピリン投与割合
①計算方法
分子:分母のうち入院後2日以内にアスピリンが投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数
②説 明
急性心筋梗塞は通常発症後2~3ヶ月以内に安定化し、大多数の患者は安定狭心症または安定した無症候性冠動脈疾患の経過を辿ります。
心筋梗塞発症後の長期予後を改善する目的で、抗血小板薬、β-遮断薬、ACE阻害薬あるいはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、スタチンなどの投与が推奨されています。
この処方率は海外の医療の質の評価指標としても採用されており、広く認識された指標であるといえます。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(5)急性心筋梗塞患者における退院時アスピリン投与割合
①計算方法
分子:分母のうち、退院時にアスピリンが投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(6)急性心筋梗塞患者における退院時βブロッカー投与割合
①計算方法
分子:分母のうち、退院時にβブロッカーが投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(7)急性心筋梗塞患者における退院時スタチン投与割合
①計算方法
分子:分母のうち、退院時にスタチンが投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(8)急性心筋梗塞患者における退院時のACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合
①計算方法
分子:分母のうち、退院時にACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤が投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(9)急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合
①計算方法
分子:分母のうち、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤が投与された症例数
分母:急性心筋梗塞で入院した症例数

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第6回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(10)脳卒中患者のうち第2病日までに抗血栓治療を受けた患者の割合
①計算方法
分子:分母のうち、第2病日までに抗血栓療法を施行された患者数
分母:脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院患者数
②説 明
脳梗塞の治療に際して、入院第2病日までに抗血栓療法を開始することが勧められています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(11)脳卒中患者の退院時、抗血小板薬を処方した割合
①計算方法
分子:分母のうち、退院時に抗血小板薬を処方された患者数
分母:脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院患者数
②説 明
脳梗塞の3次予防に、抗血小板薬が有効とされています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(12)心房細動を診断された脳卒中患者への退院時の抗凝固薬の処方
①計算方法
分子:分母のうち、退院時に抗凝固薬を処方された患者数
分母:脳梗塞かTIAと診断され、かつ心房細動と診断された18歳以上の入院患者数
②説 明
心房細動を合併する脳梗塞の3次予防に、抗凝固薬は有効とされています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(13)脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合
①計算方法
分子:分母のうち、入院後早期に脳血管リハビリテーションが行われた症例数
分母:脳梗塞で入院した症例数
②説 明
脳梗塞の後遺症によって起こる廃用症候群(筋委縮、筋力低下、関節拘縮、肺炎、褥瘡、抑うつなど)の発生を防止するため、早期のリハビリテーションを実施することが有効とされています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(14)喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合
①計算方法
分子:分母のうち、入院中に吸入抗炎症剤の処方を受けた患者数
分母:5歳以上の喘息患者のうち、喘息に関連した原因で入院した患者数
②説 明
ガイドラインに沿った標準的治療の有無を見る指標であり、他施設よりも値が特に低い施設では、慢性期の管理方法ついて見直す必要があります。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(15)入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合
①計算方法
分子:分母のうち、入院中に全身ステロイドを処方された症例数
分母:2歳~15歳の喘息患者のうち、喘息に関連した原因で入院した症例数
②説 明
喘息発作の症状を素早く軽快し、重症度を下げるためにガイドラインで推奨されています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2014年度QIプロジェクト(QI推進事業)第6回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(16)退院後6週間以内の救急医療入院率
①計算方法
分子:退院後6週間以内の救急入院患者数
分母:退院患者数
②説 明
当院を退院された患者様のうち、退院後6週間以内に予定外の再入院となられた割合です。この指標が低いほど、患者さんは十分な医療を受けて退院されたと言うことができます。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
2.生活習慣病に関する指標
(17)糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c(NGSP)<7.0%
①計算方法
分子:HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数
分母:糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数
②説 明
HbA1cは、血糖値のコントロール状態を示す指標で、糖尿病による合併症を予防するためには、HbA1cを7.0%未満に維持することが重要です。
HbA1cを7.0%未満に維持するためには、処方する薬剤の種類や量を適切に選択することが重要です。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
3.医療安全に関する指標
(18)死亡退院患者率
①計算方法
分子:死亡退院患者数
分母:退院患者数
②説 明
当院から退院された患者さんのうち死亡された患者さんの割合を示しています。当院では、患者さんに対する治療を全力で行ってはおりますが、重症の患者さんを受け入れるとどうしても高くなってしまう指標です。
今後、より多くの重症患者を受け入れつつも、お亡くなりになられる患者さんの割合が少しでも低くなるよう、高度な医療の提供に努めています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(19)入院患者の転倒・転落発生率
①計算方法
分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数
分母:入院延べ患者数
②説 明
入院されている患者さんのうち転倒・転落が発生した割合を示しています。
当院では、職員への研修や設備の充実を通じて転倒・転落事故が生じぬよう、仮に生じてしまっても重度のケガにならぬよう体制を整えています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(20)入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上)
①計算方法
分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち損傷レベル2以上の転倒・転落件数
分母:入院延べ患者数
②説 明
入院されている患者さんのうち転倒・転落により生じた一定程度のケガの発生状況を示しています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)第2回フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(21)入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル4以上)
①計算方法
分子:医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち損傷レベル4以上の転倒・転落件数
分母:入院延べ患者数
②説 明
入院されている患者さんのうち転倒・転落により生じた一定程度のケガの発生状況を示しています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(22)褥瘡発生率
①計算方法
分子:調査期間における分母対象患者のうち、d2以上の褥瘡の院内新規発生患者数
分母:入院延べ患者数
②説 明
褥瘡とは、患者さんが長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすものをいい、一般的には「床ずれ」と呼ばれるものです。
当院では、褥瘡対策を専門的に行う認定看護師の配置や褥瘡対策を行う委員会の設置を通じて褥瘡発生率の低下に努めています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
4.地域連携・地域医療に関する指標
(23)紹介率
①計算方法
分子:紹介初診患者数+(初診緊急入院患者数-初診緊急入院患者のうち紹介患者数)
分母:初診患者数-(休日・夜間の初診救急患者数-休日・夜間の初診救急入院患者数)
②説 明
地域の医療機関からの紹介によって受診した患者数の割合を示しています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(24)逆紹介率
①計算方法
分子:逆紹介患者数
分母:初診患者数-(休日・夜間の初診救急患者数-休日・夜間の初診救急入院患者数)
②説 明
当院から地域の医療機関に紹介した患者数の割合を示しています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
5.救急に関する指標
(25)救急車・ホットラインの応需率
①計算方法
分子:救急車で来院した患者数
分母:救急車受け入れ要請件数
②説 明
救急車で来院し、入院となった患者さんの割合を示しています。救急医療を担う急性期病院として、年間3400件以上のより多くの患者さんの受け入れを目指しています。

※ 表中の「全国平均値」は、一般社団法人日本病院会「2015年度QIプロジェクト(QI推進事業)第5回(最終)フィードバックデータサマリー」より引用しています。
(26)救急車受入台数(当院が独自に設けた指標)
