今年のノーベル生理学医学賞は「C型肝炎ウイルスについての研究」に授与されました。肝炎ウイルスとはどのようなウイルスなのでしょうか。
肝炎ウイルスに感染すると、どんな病気になるの?
肝炎ウイルスに感染しても、多くは自覚症状がないまま、慢性肝炎、肝硬変から肝がんに進行することがあります。肝がんは死亡数の多い5大癌の一つで、2018年には年間2万6千人もの患者さんが亡くなっています(国立がん研究センター「がん登録・統計」)。この肝がんの原因の大部分(約8割)がB型またはC型肝炎ウイルス感染によるもので、その患者、感染者数は300万人を越えています。
肝炎ウイルスの有無を調べる方法は?
病院で行う採血検査で、B型ではHBs抗原、C型ではHCV抗体、この2項目を調べるだけで分かります。
B型肝炎、C型肝炎の治療は?
近年は副作用の少ない非常に有効な飲み薬が開発、発売されており、国の医療費助成制度により、少ない負担で入院することなく治療を受けることができます。特にC型肝炎では2〜3か月と短期間の通院内服治療で、95%以上の患者さんがウイルスを完全に排除することができるようになっています。
肝疾患の専門医がいる病院・診療所はどこにあるの?
現在、大きな問題とされているのは、肝炎ウイルスに感染していることを知らずに、または、感染を知っていても自覚症状がないから等の理由で治療を受けずに放置されているケースが非常に多いことです。ご関心がある方は、一度お近くの肝臓専門医とご相談されることをお奨めします。C型肝炎等のご相談は、富山市民病院、富山まちなか病院を含む富山県肝炎診療ネットワークの医療機関で対応しております。
C型肝炎の詳しい情報はホームページの「病名・症状から探す診察室」の"肝炎"の項目をご覧ください。