院長の挨拶

fujimuratakashi.jpg当院は1946年(昭和21年)に総曲輪で産声を上げた後に、1983年(昭和58年)から現在の今泉に移転し、今日に至っています。国道41号線沿いに立地し、バスの便も多く、また北陸自動車道富山インターや富山空港からも至近距離にあり、交通の利便性が高いところにあります。

当院は「医療を通じて市民の健康を守るとともに地域社会の発展に貢献すること」を使命(ミッション)としています。すなわち、高齢化・核家族化・少子化が著しく進むなかで、個々の患者さんの医療を遂行することはもちろん、家庭や地域での安心した生活を確保することが重要だと考えております。その考えに基づき、2008年(平成20年)に県内では最も早く地域医療支援病院の指定を受け、地域医療の「リーダー病院」となるべく取り組んできました。2019年(平成31年)4月に富山市の運営となった富山まちなか病院とは、急性期から回復期にかけての医療を切れ目なく行うことを目標として連携を強化しており、地域の医療機関ともより一層連携を密にして地域医療を支えていく所存です。

近年増加が顕著で国も重点的な対策が必要と示している、5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)に関しては、胸腔鏡・腹腔鏡下手術、内視鏡的治療、カテーテル治療など様々な最新の技術を導入し、患者さんにやさしい医療を提供しています。糖尿病では透析医療に移行しないよう予防対策を推進しており、透析に移行した場合にも腹膜透析を積極的に行うことにより、患者さんの生活の質を維持するように取り組んでいます。また、精神疾患においては包括的地域生活支援や修正型電気けいれん療法など特色のある治療を行っています。

また、富山医療圏では、夜間休日の救急輪番体制が敷かれていますが、当院はその一翼を担うのみならず日中の救急患者も可能な限り受け入れることにより、市民の安心を確保できるように努力しています。さらに昨今増えている豪雨、大型台風あるいは地震などの災害に対する事業継続計画(BCP: business continuing plan)の策定にも早くから取り組み、いざという時に備えています。

今後も職員一丸となって魅力ある病院作りに努めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年4月 富山市民病院 院長 藤村 隆