院長の挨拶

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 このたび、令和6年4月より富山市立富山市民病院の院長に就任いたしました。
 地域住民の皆様へ安心・安全な医療を届け、健全な地域の発展のために全力を尽くす所存です。

 さて、昭和21年に開院した当院は、人口約50万人の富山医療圏において、高度急性期・急性期医療を担う中核病院です。現在、35の診療科において、それぞれの専門性を最大限に発揮しつつ、連携して診療にあたっています。
 また当院は、公的病院の中でも、富山市立の基幹病院であることから、地域医療を支えるため、様々な役割を担っています。
 地域医療支援病院としては、平成20年に富山県内第1号の認定を受けて以来、地域の医療機関と連携してシームレスな医療を提供してまいりました。高額医療機器や施設設備、開放型病床などを地域の診療所にご活用いただいているほか、合同カンファレンスの実施や研修会の開催などで、医療圏における医療機能の向上のために取り組んでいます。
 救急医療においては、二次救急輪番体制の一翼を担い、「断らない救急」を合言葉に多くの救急車を受け入れ、富山医療圏における救急医療体制の確立に尽力しています。
 災害拠点病院としては、日頃からドクターヘリを受け入れているほか、DMAT2班、医療救護班3班を編成し、定期的に災害実働訓練等を実施するなどして、災害時における救命医療や広域搬送等に対応できるよう備えています。令和6年1月の能登半島地震においても、DMAT隊をはじめとする専門職員を現地に派遣したところです。
 感染症指定病院としては、これまで多くの新型コロナ感染症の患者さんの診療に当たってきました。5類移行後もその姿勢に変わりはなく、さらに新たな新興感染症に対しても、最前線の医療機関としての役割を果たしていきます。
 臨床研修指定病院としては、将来の医療を担う人材を育成するため、研修医の要望に柔軟に対応できるプログラムを用意し、研修医を積極的に受け入れています。
 公立病院としては、地域住民のニーズに応じた医療を提供することも大切な役割です。当院では、近年、無痛分娩を希望する妊産婦が増えていることから、無痛分娩を行う体制の構築に取り組んできました。麻酔医が関与する体制を取っていることや、高いレベルでの安全性が確保できていることなどから、妊婦さんから好評をいただいております。

 私たち富山市立富山市民病院は、病院の基本理念に掲げているとおり、医療を通して皆様の健康を守り、豊かな地域づくりに貢献してまいります。そのために、5つの価値観「信頼」「良質」「思いやり」「つながり」「俊敏」を職員全員で共有し、地域医療に欠かせない信頼される病院を目指します。そして、常に皆様の言葉に耳を傾け、皆様に寄り添う病院でありたいと考えています。

富山市立富山市民病院 院長 家城 恭彦