中央放射線部

中央放射線部の紹介

 中央放射線部のスタッフは、放射線科医師3名、放射線治療専門医1名、診療放射線技師25名、看護師3名、助手4名の総勢36名で運営しています。
 当部にはMRI装置2台、CT装置3台、核医学装置1台、血管造影装置2台、透視装置2台、一般撮影装置4台、放射線治療装置1台、乳房撮影装置1台、骨密度測定装置1台等と、救急医療から高度先進医療まで、地域住民のあらゆるニーズに応えるべく、医療環境の充実、設備の向上を目指しています。2011年10月からは、富山市医師会急患センターと放射線業務を連携し、医療機器を共有化することにより、設備負担の軽減と共に、市民の皆様により高度な医療情報を提供しております。
 また、「患者さん中心のチーム医療」をモットーに優しい言葉と笑顔で接するようスタッフ全員が心がけるとともに、医療被曝の低減に努め、診断情報の多い高度な医療画像を提供できるよう努力しています。

一般撮影

一般撮影とは
 X線を使って胸部や腹部、骨の異常を調べる検査です。「レントゲン検査」といった方がなじみがあるかもしれません。
撮影はFPDといったX線をデジタル信号に変換してモニタ画面に表示するデジタルX線画像診断システムを使用しています。画像はデータとして保存され、院内ネットワークを介して各診療科で閲覧できます。

●FPDFlat Panel Detector)
 身体を通過してきたX線を、検出し電気信号に変換する、X線画像平面検出器のことです。撮影後、画像が1秒程で表示されるので、即座に画像を確認でき、検査時間が短縮されました。

 デジタル化によって、常に安定した画像を提供することができ、部位・目的に応じた画像処理効果により診断精度の向上が図れます。

検査を受けられる方へ

  • 外来基本伝票を「10 レントゲン受付」に提出し、検査受付をおこなって下さい。受付者が検査部位に応じた検査室をご案内します。検査室前の椅子に腰かけてお待ちください。
  • 検査室内にお呼びする際は、外来基本伝票に書かれた番号でアナウンスします。
  • 検査の前に、担当技師が氏名・生年月日・撮影部位を確認いたします。お手数ですが、本人確認にご協力ください。
  • 衣類のボタン・ファスナー・プリント、カイロ、湿布、ネックレスなどが撮影部位にありますと、診断の障害になる恐れがあります。必要に応じて脱衣・取り外しをお願いします。不明な場合は担当技師にお尋ねください。
  • 妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査前にお知らせください。
  • 検査部位によってはお呼びする順番が前後する場合があります。また、曜日によって検査室が込み合うことが予想されます。申し訳ありませんが、予めご了承ください。
  • 撮影に関してご不明な点がございましたら、スタッフにお尋ねください。

乳腺撮影(マンモグラフィー)

乳腺撮影(マンモグラフィー)とは
 乳房の疾患を調べるために行う検査です。乳房は柔らかい組織でできているので専用のX線撮影装置を用いて撮影します。撮影する時は、板で乳房を固定(圧迫)して撮影します。

検査を受けられる方へ

以下の項目に該当される方は、検査前に担当の診療放射線技師に申し出てください。

  • 妊娠中または妊娠の可能性がある
  • 授乳中である
  • 豊胸手術を受けた
  • 心臓ペースメーカを装着されている
  • CVポートを造設されている
  • V−Pシャント留置術を受けた
  • 以前にマンモグラフィーを受けて気分が悪くなったことがある

 当院は、乳腺撮影検査の精度を保つために教育研修をおこなっている日本乳がん検診精度管理中央機構から施設(乳腺撮影装置)及び撮影技師の認定を取得しております。安心して検査を受けてください。

CT検査

  1. CT検査とは
    • CT装置の中心にある大きな穴に体を入れて、X線をあて、体の中の様子をコンピュータ処理し画像化する検査です。
    • 体の輪切りの画像が得られるほか、疾患によっては、前額断面、冠状断面の作成や3D表示をおこないます。
  2. 検査前の準備
    • 検査部位にある金属物を取り外していただきます。
      頭部検査の場合:ヘアピン・補聴器・ピアス等
      胸腹部検査の場合:ネックレス・ブラジャー・ズボン・スカート・カイロ等
  3. 検査開始・検査中のお願い
    • 検査時間は、部位によって異なりますが、約5〜15分程度です。
    • 検査部位によっては、何度か呼吸を止めていただきます。
    • 検査中は、担当技師とマイクを通していつでも会話できますのでご安心ください。
  4. 造影検査について
    • 造影剤は、検査部位をより詳しく調べる目的で使用する薬(ヨード造影剤)です。
    • 造影剤は、検査中に静脈から注射いたします。
    • 事前に担当医から造影剤についての十分な説明と問診がありますが、注射の直前にも再度問診させていただきますのでご了承ください。
    • 副作用は極めて少ない薬ですが、検査中に万一気分が悪くなった方は必ずお知らせください。

造影検査を受けた方へ

 造影剤は、尿として排泄されます。排泄を促進させるため、水分(水、お茶など)を多目にお取りください。

 検査終了後、数時間から数日後に、頭痛、吐気、かゆみ、じんましんなどの症状があらわれることがあります。なにか症状が見られましたら遠慮なく当院にご連絡ください。

連絡先
富山市立富山市民病院   TEL (076)422-1112
平日 8:30〜17:15   放射線科
平日 17:15〜8:30 土・日・祝   救急センター

MRI検査

  1. MRI検査とは
    MRI(磁気共鳴画像)とは、非常に強い磁石と、電波を使って体の内部の状態を検査する方法です。
    X線を使いませんから被曝もなく、また、いろいろな角度から体の断面の写真を撮影することができます。
  2. MRI検査を受けるときの注意
    MRIで使われる磁石や電波は、普通の場合は人体への影響はありません。ただし、次のような方はMRI検査を受けられないことがありますので、担当医、または検査担当技師にあらかじめお知らせ下さい。
    • 心臓ペースメーカや刺激電極などを身につけている方
    • 体内に脳動脈クリップや人工関節などの金属が埋め込まれている方
    • 以前に外科手術を受けた事がある方
    • 妊婦、または妊娠されている可能性のある方
    • 閉所恐怖症など、狭い所が苦手な方
  3. 検査前の準備
    次のものは検査に影響したり、機器の故障の原因となったりしますので、検査前に必ず取り外しておいて下さい。
    • 金属類:時計、めがね、ヘアピン、かぎ、アクセサリーなど
    • 磁気カード:キャッシュカード、テレホンカード、クレジットカードなど
    • その他:取り外しのできる義歯、補聴器、カイロ、エレキバンなど
    検査前に所定の検査衣に着替えてから、検査室に入ります。
  4. 検査開始・検査中のお願い
    • MRIの検査時間は検査部位にもよりますが、約30〜40分程度です。
    • MRI検査は、動きに非常に弱い検査です。特に低年齢の子供の患者さんの場合には、動かないように眠っている状態で検査を行います。
    • 検査中は工事現場のような大きな音が周囲から聞こえてきます。
    • 検査部位(呼吸によって動く部位)によっては、何度か呼吸を止めていただきます。
    • 検査中は、担当技師とマイクを通していつでも会話できますのでご安心ください。
  5. 造影検査について
    • 造影剤は、検査部位をより詳しく調べる目的で使用する薬です。
    • 造影剤は、検査中に静脈から注射いたします。
    • 事前に担当医から造影剤についての十分な説明と問診がありますが、注射の直前にも再度問診させていただきますのでご了承ください。
    • 副作用は極めて少ない薬ですが、検査中に万一気分が悪くなった方は必ずお知らせください。

造影検査を受けた方へ

 造影剤は、尿として排泄されます。排泄を促進させるため、水分(水、お茶など)を多目にお取りください。

 検査終了後、数時間から数日後に、頭痛、吐気、かゆみ、じんましんなどの症状があらわれることがあります。なにか症状が見られましたら遠慮なく当院にご連絡ください。

連絡先
富山市立富山市民病院   TEL (076)422-1112
平日 8:30〜17:15   放射線科
平日 17:15〜8:30 土・日・祝   救急センター

透視検査

 透視室では、さまざまな造影検査が行われています。消化管造影、尿路造影、胆道造影などが挙げられます。
まず消化管検査についてですが、代表的なものには、食道・胃透視があり、バリウムを飲みながら行います。バリウムを用いることによって、食道においては、その通過の様子から変形や狭窄がないかが観察でき、胃においては、その形態、辺縁の状態、胃壁の伸展の様子や潰瘍、ポリープなどの病変の有無を観察できます。
 また、内視鏡を併用したERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)の検査も行っています。胆管や膵管の状態を観察し、同時に治療を行うことの多い検査です。近年ではこういった治療を目的とした検査の必要性が高まっています。

血管造影室

心臓カテーテル検査法 および 心血管造影法
 心臓カテーテル検査法は心臓・大血管内の血圧および流量の測定などといった血行動態を生理学的・定量的に検査するものです。それに対し、心血管造影法は心臓・大血管の内腔に造影剤を注入し、その形態を画像として描出し、解剖学的診断を行うための検査法です。さらに心室機能、弁の動き、血液の流れ方など血行動態に関する診断も併せて行う検査法で、通常、心臓カテーテル法と併用して施行します。また、狭心症・心筋梗塞等の虚血性心疾患の治療も多く行っています。

脳血管造影法
 脳血管に造影剤を注入し、脳血管の走行異常、形態変化および新生血管を観察することにより脳腫瘍の有無、位置と大きさ、あるいは血管自体の疾患である動脈瘤、閉塞、血腫、動静脈奇形などの診断を目的とする検査法です。

胸部・腹部血管造影法
 胸部は肺動脈や大動脈、腹部は腹腔動脈や上・下腸間膜動脈といった動脈の走行を調べる検査法です。胸部では、肺動脈疾患(肺梗塞)など、腹部では主に肝疾患の診断に有効です。この検査は血管の走行を調べるためだけでなくカテーテル操作の手技を応用して、血管の塞栓、薬物投与、血管拡張などの治療(IVR)も行います。

核医学検査室

 核医学(アイソトープ、RI)検査は、目的の臓器や組織に集まるように作られた放射性医薬品を患者さんに注射し、その集まりの程度をガンマカメラを用いて撮影します。
放射性医薬品が体のどの部位にどれくらい集まるかを調べることで、臓器や組織の形態や機能を知ることが出来ます。
 ほとんどの検査は、30分程度、検査用ベッドに静かに横になっているだけで終了しますので、患者さんにとってはたいへん苦痛の少ない検査であるといえます。

骨密度測定検査

 骨密度測定検査(DEXA法)とは、身体各部の骨量をX線を利用して測定する検査です。骨粗鬆症の診断を行います。
骨粗鬆症とは、骨の密度が低下してスカスカになり、もろくて骨折しやすくなる状態をいいます。圧倒的に女性に多く、30歳前後から男性に比べて骨量が減る度合いが大きく、閉経後はさらに加速します。
骨粗鬆症を予防するには、カルシュウムの十分な摂取と適度な運動が大切です。また、自分自身の骨密度を知ることが生活習慣を改める第一歩となります。

放射線治療室

 癌治療の3本柱は、手術、抗癌剤治療、そして放射線治療です。
当院では、平成28年4月からはアキュレイ社の最新治療装置(Tomo・HDAシステム)を導入して放射線治療を行っています。患者さまには、安心して治療を受けていただけるよう細心の注意を払い、ダブルチェック体制で取り組んでいます。

放射線被曝

Q&A

放射能と放射線は違うのですか?
よく放射能と放射線を混同して使われることがありますが、これにははっきりとした違いがあります。
放射能とは、放射線を出す性質や能力のことを指します。
放射線とは、いろいろな種類の粒子線や電磁波の総称を指します。
これには、放射性物質から出てくるガンマ線やベータ線、アルファ線、エックス線管から出るエックス線のほかに、地球にふりそそぐ宇宙線も放射線の一種です。
放射線は体に残りますか?
放射線を浴びると、その放射線はいつまでも体の中に残るのでは、との疑問がありますが、放射線の被曝という現象は熱とか太陽光線を受けるのと同じで、体に残ることはありません。
しかし、RI(放射性同位体)検査の場合、体内に微量な放射能を持つ放射性同位体を投与しますので、短期間ですが体内に残ります。 体内に入った放射性同位体は、短期間で消滅するものが使われていますので心配いりません。
医療被曝について教えてください?
エックス線診断、放射線治療、核医学検査によって患者さんが受ける放射線被曝を医療被曝といいます。
通常、エックス線診断においての被曝は、放射線治療で行われる大量の放射線を腫瘍などに照射することと違って、ごく微量なものです。 したがってほとんど心配しなくてよいでしょう。 しかし、次のことについては注意してください。

※妊娠中の方は、検査前に必ず"医師"および"診療放射線技師"に申し出て下さい。
※現在、妊娠を期待している方、および可能性のある方は必ず"医師"に申し出て下さい。

放射線の単位について教えてください?
人間の被曝に関する放射線の単位には、次のものがあります。
  • グレイ(Gy):被曝した放射線量を吸収線量として表わす単位です。放射線の影響は考慮せず、単に人間や動物などの臓器(皮膚、骨髄、肺、骨、生殖器官など)に吸収された線量の表示として用います。
    1グレイ(Gy)の千分の1が1ミリグレイ(mGy)、百万分の1が1マイクログレイ(μGy)
  • シーベルト(Sv):被曝した放射線量を人間の線量当量として表わす単位です。放射線の影響を考慮して、人体の障害や防護のためにのみ用いられる単位です。これには次の2種類があります。
    • 組織線量(Sv):確定的影響(皮膚の火傷、不妊、脱毛など)の障害の程度を考慮するときに用います。診断用X線による被曝では、Gy=Svとなります。
    • 実効線量(Sv):確定的影響(がん、遺伝子)による障害の程度を考慮するときに用いられます。
    1シーベルト(Sv)の千分の1が1ミリシーベルト(mSv)、百万分の1が1マイクロシーベルト(μSv)
    • 胸部のエックス線撮影での被曝線量は、およそ0.1〜0.2ミリシーベルトで、これは私たちが1年間に身のまわりから受ける自然放射線(約2.4ミリシーベルト)よりもかなり少ない線量です。
    • 自然放射線とは、宇宙線や大地(地中)からの放射線、空気中や食べ物の中に含まれている放射線のことです。
    • エックス線検査で受ける放射線量は、日常生活の危険度(例えば大気汚染、食生活や喫煙習慣など)よりはるかに少ないと評価されています。
    • エックス線検査は、病気の存在を知るために医師が必要だと認めたときに行います。リスクよりも検査で得られる利益のほうが大きい時に適応となります。

なお、上記のご質問に関するお問合せについてはお答えできませんので、ご了承下さい。