肝炎(かんえん)

肝臓は、消化管から取り込んだ栄養を体内で利用できる形に変えたり、栄養素を貯蔵・放出や毒物の分解など、生命を支えるために重要な多くの働きを担っています。この肝臓に炎症がおこり肝細胞が壊れてしまう状態が肝炎です。肝炎の原因には、ウイルス性、代謝性(脂肪肝)、アルコール性、自己免疫性などがありますが、いずれが原因でも進行すると肝硬変、さらには肝臓がんを発症する可能性があります。しかし、肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、肝炎を起こしていても、自覚症状はほとんどありません。このため、無自覚なまま肝炎が進行し、肝硬変・肝癌まで進展する恐れがあります。

ウイルス性肝炎では現在は、内服薬での治療が可能となっています。内服薬での治療によりウイルスの排除や発がんの予防などの効果が期待できます。

肝炎に罹患しているかどうかは、まずは採血検査・腹部エコー検査などの低侵襲な検査で行いますので、ウイルス肝炎検査をうけたことがない方や検診などで肝障害(血液データの異常)を指摘されたことがある方、毎日飲酒されている方は、一度は詳しい検査を受けることをお勧めします。