診療科の特色
膵臓・胆管・胆嚢のがんは、21世紀に残された難治がんと言われています。精緻な進展範囲の診断を行い、それを基に術式を計画しますが、胃がん・大腸がんに比べて侵襲の高い手術になるので、各症例の年齢、体力、ADLに合わせてテーラーメイド的に術式を変えていく必要があります。
また、数年前までは切除不能とされていた高度局所進行がんでも、内科的治療が奏効すれば積極的に切除を行い、良い成績を収めております。内科、放射線科、外科を結集したチーム医療の力で、患者さん達の希望を繋ぐ治療をめざしています。
実績
「肝胆膵外科」は消化器外科の中でも特に高い専門性を持って診断・治療を行わなければ良い結果は得られません。当院でも臓器別の外科専門領域として、2015年4月に立ち上げました。ご紹介いただき、ほとんどが消化器内科で精査され、手術加療が検討される症例は当科で根治性と安全性を考慮し、患者さんに最適な治療を提案してきました。
2022年の実績は、肝腫瘍7例(転移性肝がん5例、良性肝腫瘍1例、肝内胆管がん1例)、胆道腫瘍3例(胆管がん2例、胆嚢がん1例)、膵腫瘍3例(膵がん2例、膵NET1例)でした。これに対して術式は、肝切除術7例(うち腹腔鏡下手術2例)、膵頭十二指腸切除術2例、膵体尾部切除術3例(うち腹腔鏡下手術1例)などが施行されました。また胆嚢炎、胆石症に対する胆嚢摘出術は83例(腺筋症、胆嚢ポリープも含む)、そのうち腹腔鏡下手術が64例に行われました。