
診療科の特色
胸腔鏡手術のパイオニア
肺がんや縦隔腫瘍に対する低侵襲手術としてほぼ確立された完全胸腔鏡手術は、富山県で初施行以来19年の実績を持つ術者が担当します。高精度な手術により根治性を高めています。
拡大手術の豊富な実績
一方、進行した肺がんの手術に対しては、術前の薬剤や放射線治療を組み合わせる集学的治療や、大血管や気管支の合併切除・再建技術を駆使しすることによって他院で手術が困難とされた患者さんを根治に導いています。術後の生活の質と根治性との両立を諦めないことを大切に考えています。
自己血液製剤で完結する外科治療
患者さんご自身の自己血から、輸血製剤と血液製剤を作成できる「クリオシールシステム」を2018年に北陸で初めて導入しました。ウイルス感染やアレルギー反応など輸血関連の合併症とリスクを回避し、高額な輸入血液製剤が不要となるため医療費の抑制に貢献しています。
実績
- 2022年
- 肺がん手術:56例
- うち高難度手術8(気管支形成3、肺動脈形成2、導入治療後/サルベージ手術3)
- 気胸手術:36例
- 患者さんの自己血から作成したフィブリン糊を使用し、若年者へのリスクを減じています。術後から退院までの平均日数が2日と早期退院を達成しています。
- 手掌多汗症手術:28例
- 後遺症(代償性発汗)が少ないオリジナルの術式を施行し県内外から患者さんの紹介があります。
写真1:当科での完全胸腔鏡手術による術創
写真2:北陸初導入のクリオシールシステム
医師紹介

土岐 善紀 (どき よしのり)
医療技術局長
呼吸器・血管外科センター部長、呼吸器外科部長
医学博士
- 医学部卒業年
- H5年
- 専門領域
- 呼吸器外科手術全般(肺・気管支、縦隔、胸壁疾患に対する外科治療)
- 資格
- 外科専門医(日本外科学会)
呼吸器外科専門医(呼吸器外科専門医合同委員会)
気管支鏡専門医(日本呼吸器内視鏡学会) - 学会
- 日本外科学会
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
- モットー
- 高度な技術をさりげなく提供していきます

明元 佑司 (あけもと ゆうし)
呼吸器・血管外科センター医師
- 医学部卒業年
- H27年