耳鼻いんこう科・頭頸部外科

耳鼻いんこう科・頭頸部外科

診療科の特色

当科では真珠腫性中耳炎や慢性中耳炎などの耳科疾患に対して、積極的に手術を行っています。従来の顕微鏡下手術に加え、症例に応じてTEES(経外耳道的内視鏡下耳科手術)を導入し、患者さんの負担を軽減しています。

頭頸部の悪性腫瘍では、早期のものには放射線治療や機能温存手術を行い、進行したものには手術、抗がん剤の投与や放射線照射との併用治療を行っています。当院で治療困難と判断した再建手術を含めた根治手術に関しましては、大学病院などに紹介しています。

また、嚥下障害にも積極的に対応しています。リハビリと連携して嚥下機能評価や、食事に関してのアドバイス、適応があれば外科的治療(嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術)も行っています。

実績

当科は日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設です。

2022年度の外来延べ患者数は5,334名、入院延べ患者数は1,927名、手術件数は約130件です。

2022年度の主な手術実績としては、耳科手術45件、鼻内視鏡手術16件、口蓋扁桃・アデノイド手術12件、甲状腺・副甲状腺手術8件、耳下腺・顎下腺腫瘍手術5件、頭頸部腫瘍手術22件、気管切開術12件です。

頭頸部悪性腫瘍に対して病巣周辺の正常組織の被ばくを減らして腫瘍に集中的に放射線をあてる強度変調放射線治療(IMRT)を開始し、症例数を伸ばしています。再発・転移性の悪性腫瘍に対しては免疫チェックポイント阻害薬や、分子標的薬などによる治療も行っています。

その他、突発性難聴や末梢性顔面神経麻痺などに対する点滴加療も多く行っています。また、急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍などの緊急性の高い疾患にも、迅速に対応しています。

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対応疾患

耳疾患
難聴、中耳炎、真珠腫性中耳炎、外耳道がん
鼻疾患
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害
咽喉頭疾患
扁桃周囲膿瘍、慢性扁桃炎、扁桃肥大、声帯ポリープ
頭頸部腫瘍
副鼻腔がん、舌がん、咽頭がん、喉頭がん、唾液腺腫瘍
甲状腺腫瘍
その他
顔面神経麻痺、内耳性めまい、味覚障害、嚥下障害

特徴的な検査・主な手術

経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES)
高解像度の内視鏡カメラを使用し、耳内からのみ手術を行います。顕微鏡では死角となる部位も、明視下におくことができます。手術翌日に退院可能となります。
内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)
慢性副鼻腔炎や鼻茸などに対して、内視鏡下に手術を行います。手術侵襲が小さく、術後に頬部腫脹なども生じません。
頭頸部腫瘍に対する手術
耳下腺腫瘍や甲状腺がんでは、神経刺激装置(NIMシステム)を使用して、顔面神経や反回神経の確実な温存に努めています。

外来診療日

週間担当医のページをご覧ください

医師紹介

辻 亮 (つじ あきら)

耳鼻いんこう科・頭頸部外科部長
図書室部長
医学博士
補聴器相談医

医学部卒業年
H15年
専門領域
耳鼻いんこう科一般、頭頸部腫瘍
資格
耳鼻咽喉科専門医(日本耳鼻咽喉科学会)
学会
日本耳鼻咽喉科学会
日本頭頸部癌学会
日本頭頸部外科学会
モットー
最適な治療の提供を目指していきます

児島 頌子 (こじま しょうこ)

耳鼻いんこう科・頭頸部外科医長

医学部卒業年
H26年
学会
日本耳鼻咽喉科学会