不眠症

成人の4人に1人が何らかの不眠を自覚しています。不眠症の診断は「眠れないことを苦しみ、翌日の社会生活が障害されるもの」で、日中の不自由さが大事な診断や治療のポイントになります。症状には、「夜中途中で目が覚める」(中途覚醒)や「なかなか寝つけない」(入眠困難)、「朝早く目が覚める」(早朝覚醒)などがあります。
原因はいろいろあります。ストレスにより眠りが妨げられるものから、うつ病や統合失調症など、こころの病の症状の一部であることもあります。また、体の病気のために不眠が出現することがあります。かゆみや痛みのためであったり、呼吸が10秒以上止まることで深い睡眠に入りにくく日中に強い眠気を生じる睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる病気であったりすることもあります。睡眠のリズムが乱れることも原因となり、海外旅行による一過性のものから、深夜勤務によるものまであります。
治療は、原因によって対処方法は異なりますが、規則正しい生活のリズムに心掛けることは共通しています。睡眠導入剤の使用は有効な治療法ではありますが、薬だけに頼らず、原因が解消されたら速やかに服薬を止める必要があります。睡眠導入剤には、効果の時間や効き目の違いがあるいろいろなタイプの薬があります。困った時には専門医に相談しましょう。