電気けいれん療法

電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)は、頭蓋外の通電により、脳内に発作性放電を生じさせ、二次性の中心脳性の全汎性発作発射を引き起こして、精神症状の改善をはかる精神科治療です。有効率は薬物療法より高いとされ、機能性精神病のうつ病の場合、おおむね80~90%と報告されてます(日本総合病院精神医学会・日本臨床麻酔学会の電気けいれん療法研究合同小委員会編より)。

この方法では、けいれん発作を生じるために骨折などの副作用を生じやすいため、けいれん発作を生じないように筋弛緩剤を使用した無けいれんの修正型ECTが行われるようになりました。そのためには、手術室における麻酔科医の全身呼吸・循環管理が必要となり、精神科医と麻酔科医の連携の元で、総合病院を中心に修正型ECTが広がっています。

当科では、民間病院との連携医療を積極的に勧めており、民間病院で無けいれん療法が必要になった際に、当科に入院していただき、その治療が終了次第になじみの元の医療機関に戻っていただくようにしています。