ナローバンドUVB療法

ナローバンドUVB療法は、中波長紫外線(UVB)の中の非常に幅の狭い波長域(309~313nm)の紫外線だけを照射する新しい光線療法です。
これまで皮膚科では、尋常性乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、類乾癬、菌状息肉症、難治性アトピー性皮膚炎などの疾患に対してPUVA療法という光線療法を行っていました。PUVA療法は、ソラレンという薬剤を塗布した後に長波長紫外線(UVA)を照射する方法ですが、ソラレンは日焼けを起こしやすくする作用があるため、治療後に日光暴露を避ける必要がありました。一方、ナローバンドUVB療法は、薬剤の塗布がなく簡便で、 PUVA療法のような治療後の遮光を必要とせず、露出部の病変にも行えるという利点があり、またPUVA療法の対象となる多くの疾患に同様の効果があることが明らかにされています。特に、尋常性白斑に対する有効性が注目されています。当科では、主に尋常性乾癬、尋常性白斑の治療にナローバンドUVB療法を行っています。2台の紫外線照射装置(デルマレイ-200、デルマレイ-800)を備えていますので、小さな病変から全身の病変まで対応することができます。