病理検査

病理検査係の紹介

病理検査係のスタッフ
臨床検査技師   5名(細胞検査士:5名)

病理検査とは

検査または治療の目的で採取された臓器、組織、細胞などを顕微鏡等を用いて診断を行う検査のことで組織検査=病理組織診,細胞検査=細胞診と呼ばれ病気(患部)の最終診断となることもあります.診断は病理医が行いこれを病理診断と言います.病理診断は病理組織診断と細胞診断に大きく分けられます。

仕事の内容

病理組織標本作製
患者さんから摘出された臓器あるいはその一部を顕微鏡で観察するための標本を作製します。病理組織検査は病気の確定診断となるため摘出された臓器からの情報が正確に伝わるようにきれいな病理組織標本作りを心がけています。
下の画像は胃カメラで胃粘膜の病変の一部の組織を採取(生検)し,作製した病理組織標本です。
約1〜2μの薄さに切りスライドガラスに貼り付けヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)をします。

病理組織標本作製図

細胞診標本作製と細胞診断
喀痰や尿中に含まれる細胞や乳腺,甲状腺などから穿刺針で採取した細胞を顕微鏡で観察するための標本を作製します。出来上がった標本から癌細胞の有無を細胞検査士が検査します.もしも癌細胞が発見されれば病理医が最終的に診断します。
下の画像は喀痰をスライドガラスに塗りパパニコロウ染色法(Pap染色)で染めた細胞像です。このように喀痰や尿などの検査材料から癌細胞が発見されると癌病巣の存在を確認するために組織検査などさらに詳しく検査が行われます。

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肺の扁平上皮癌細胞

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肺の線癌細胞

迅速凍結標本作製(迅速病理組織診断)
病理検査の至急検査で通常であれば1日〜2日かかる標本作製を15分〜20分ほどで作製する方法です。これは一度組織を凍結すると薄く切れることを応用したもので,主に手術中の病変の診断のために行います。

バーチャル画像作製
皆さんが外来や病棟で病理検査の診断結果の説明を受けるとき,電子カルテの画面でご自分の顕微鏡画像をご覧になったことはございますか。当院では「バーチャルスライド」というデジタル技術を使って,世界で初めて電子カルテ上で顕微鏡画像を参照できる画期的なシステムを作り上げました。この画像を作製するのは私たち病理検査係の仕事です。顕微鏡がなくても院内どこからでも電子カルテでミクロの世界を覗くことができるため院内カンファレンスや研修医,医学生の教育にも有効に活用しています。

乳腺超音波検査(乳腺エコー検査)
痛みはなく10分間ほどで終わる検査です。乳腺内にしこり(腫瘤)があれば乳腺に超音波を当てる事によりしこりを画像として観察することができます。しこりは超音波画像とマンモグラフィーや他の所見とあわせて診断します。