生理機能検査

生理機能検査室では、患者さんの協力を得ながら、生体情報を波形や画像として記録し、検査します。

検査項目

  • 心電図検査(安静心電図・ホルター心電図)
  • 負荷心電図検査(マスター2階段検査・トレッドミル検査・CPX心肺運動負荷検査)
  • 超音波(心臓・頸動脈・下肢血管・腎動脈)検査
  • 肺機能検査
  • 脳波検査
  • 神経伝導速度検査
  • 血液脈波検査(CAVI/ABI)
  • 誘発電位検査(ABR)
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査
  • 24時間自由行動下血圧測定

心電図検査

安静心電図

心臓の筋肉から発生する微小な電流を波形として記録し、不整脈、心臓の肥大、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)など、心臓の働き、動きに異常がないかを調べる検査です。
検査にかかる時間は、およそ5〜10分です。
胸の部分と手首、足首を出しやすい服装でご来院ください。

ホルター心電図

心電図を24時間にわたって磁気カードに記録する検査です。短時間の心電図検査ではとらえにくい変化を調べます。

胸部に4〜5個のシール電極を貼り付け、携帯型の心電図記録計を腰にベルトで装着します。なお、装着時間はおよそ15分です。

機器の装着後は、入浴、シャワーおよび激しい運動はおやめください。
なお、シール電極の貼り付け部分が多少かゆくなることがありますがご協力ください。

負荷心電図検査

マスター2階段検査

2階段の昇り降りを3分間繰り返して心臓に負荷を与え、安静時に現れない心電図の変化を調べます。

検査にかかる時間は、およそ15〜20分です。

歩きやすい服装でご来院ください。なお、足腰の都合の悪い方は事前にお申し出ください。

トレッドミル検査

安静時の心電図が正常でも、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)のある人は運動により、心電図に変化が現れることがあります。
心臓に運動負荷をかけることで、安静時に現れない心電図の変化を調べます。

体に心電計と血圧計を付けて、ウオーキングマシンの上を早歩きしながら、心電図と血圧を記録します。検査にかかる時間は、およそ30〜40分です。

歩きやすい服装でご来院ください。なお、足腰の都合の悪い方は事前にお申しでください。

心肺運動負荷試験(CPX)

心電図、血圧、呼吸中の酸素、二酸化炭素も濃度を測定しながら自転車こぎをしていただきます。心臓だけでなく、肺や運動に使われる筋肉の状態等を総合的にみて運動耐用能(体力)を評価する検査です。適度の運動の持続は肥満などの生活習慣病の予防だけでなく抹消循環がよくなるので、心臓の負担が軽減するということで、近年心疾患、高血圧の方へも運動療法(心臓リハビリ)が推奨されています。しかし実際どの程度の運動をすればよいのかという点において、現時点での体力を評価し心臓に負担なく安全に行える運動量の具体的指導(運動処方)をします。

超音波(エコー)検査

超音波(エコー)とは、耳で聞こえない周波数の音のことをいいます。
超音波検査とは、その超音波(エコー)を発する装置(プローブ)を検査したい内臓・組織近くの体表面にゼリーを塗り、超音波を当てて反射してきた音を画像化した検査のことをいいます。
例えば、心臓超音波は、心臓の大きさ・動き・血流に異常がないかを調べる検査です。心臓弁膜疾患・心筋の肥大や拡張・先天性心疾患・心筋梗塞およびそれに伴う合併症の有無がわかります。
しかし、胃や腸など内部が空洞の臓器は超音波(エコー)では、はっきりとした画像としてとらえることができません。
超音波検査は、痛みを感じることはなく、被爆がないため安心して受けていただける検査です。
生理機能検査室では、心臓・頚動脈・下肢血管・腎動脈等の超音波(エコー)検査を行っています。
検査時間は、部位にもよりますが、およそ30分前後です。

肺機能検査

肺からどれくらい空気を出し入れ出来るかを調べる検査です。
呼吸機能障害の早期発見、病気の診断に役立てるためにも、正確な測り方が大切です。

検査にかかる時間は、簡易検査はおよそ15分ですが、精密検査ではおよそ40分〜1時間30分程度です。

検査の時、ノーズクリップで鼻をつまみマウスピースをくわえますが、口元をしめて息がもれないように注意します。また、検査を受ける患者さんの理解と努力が、検査値に影響をおよぼしますので、検査技師の指示に合わせてください。

脳波検査

脳のはたらきを知る検査です。脳は絶えず活動をしており、微弱な電気信号を発生しています。この電気信号を波形として記録し、脳に関する病気を診断したり、治療の効果を確認したりします。

頭に約20個の電極を貼り付けて、目を閉じた状態でベットに寝て検査します。検査技師の指示に従い、目を開けたり、深呼吸を繰り返したり、光刺激を行ったりすることもあります。
検査にかかる時間は、およそ50〜60分程度です。

小児などの場合は、検査前日は睡眠時間を少なめにして、検査時に眠るよう協力をお願いします。なかなか寝つけない場合には、薬を使って眠っていただくこともあります。

神経伝導速度検査

腕や足の神経に弱い電気的刺激を加えて、刺激の伝わる速度を測り、神経障害の程度を調べる検査です。検査にかかる時間は、およそ20〜30分程度です。

電気的刺激を加えるので、人によっては感じる程度が違いますが、多少のピリ痛い感を伴うことがあります。

血液脈波検査(CAVI/ABI)

簡単に血管の硬さ(動脈硬化)や、血管のつまり具合を調べる検査です。

血圧を測るのと同じくらい気軽に受けられます。
両腕と両足首の4カ所の血圧を同時に測定するだけなので、ほとんど痛みはありません。
検査にかかる時間は、およそ10分程度です。

なるべく両腕と両足首の出しやすい服装でご来院ください。

誘発電位検査(ABR)

聴性脳幹反応(ABR)
音を聴いて脳幹〜中脳までの誘発される電位を記録します。

※乳幼児での検査の場合には事前の処置が必要です。

終夜睡眠ポリグラフ検査

睡眠中の無呼吸の有無や重症度、睡眠の深さなどを調べる検査です。

この検査には呼吸状態を調べる簡易検査と、睡眠状態(脳波)を同時に調べる精密検査があります。

簡易検査では、センサーの装着にかかる時間はおよそ10分程度ですが、精密検査では、センサーの装着におよそ30〜40分程度かかります。 

身体に数種類のセンサーが装着されているために、行動や睡眠時になにかと不自由をおかけしますが、痛みを伴うものではありませんので、ご協力ください。

24時間自由行動下血圧測定

一日(24時間)の血圧を①夜間就寝中の血圧降下②睡眠から早朝覚醒に到る上昇期の血圧③昼間の行動期の血圧④労作時の血圧など30分毎に血圧を測定します。血圧の日内リズムや変動性をよく反映するので降圧薬や服薬時間の調整が可能になります。白衣高血圧症の診断や高血圧性臓器障害などとの関連性が注目される検査です。
就寝中は腕の圧迫感のため睡眠障害を伴うことがありますがご了承ください。